2014年4月号
エムエスツデー 2014年4月号

シングルループコントローラのアプリケーション
第1回 | 簡易定量出荷システム | 機種 | バッチ機能付 SC200B |
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『エムエスツデー』誌の「プロダクツレビュー」にて、バッチ機能付 シングルループコントローラと混合調節機能付 シングルループコントローラについて、昨年ご紹介しましたが、今回からは4回にわたって、その具体的なアプリケーションについてご説明します。
バッチ機能付 シングルループコントローラ(形式:SC200B)*1 のバッチ制御機能は、流量計からの測定流量に比例したパルス列信号を取込んでパルス数積算し、この積算値があらかじめ設定したプリバッチ値、バッチエンド値に達すると、プリバッチステータス信号およびバッチエンドステータス信号を出力します。
今回は、流体の簡易定量出荷システムをご紹介します。このシステムは、流量計からのパルス列信号をカウントして調節弁の制御を行い、原料(流体)を決まった分(定量)だけ計量投入するものです。
バッチ機能の概要
(1)バッチ開始の準備を行います。バッチ機能付SC200Bはバッチ機能専用オペレーション画面(図3)を搭載しています。画面にある「リセット」ボタンを押し、入力パルスの積算値をリセットして“0”にします(図2 ①)。バッチのスタートは、外部から接点信号をSC200Bに入力するか、または前面にある内部スイッチによって行います。
(2)バッチ開始と同時に電磁弁SV1を操作して、調節弁を25%の開度に開きます(図2 ②)。
(3)入力パルスの積算値が「初期流量積算制限値」に到達したとき、今度は電磁弁SV2を操作して調節弁の開度を全開(100%)にします(図2 ③)。
(4)バッチ制御中に一旦計量を中断したい場合は、外部からストップ指令の接点信号(図2 ④)をSC200Bに入力して調節弁を全閉(0%)にし、停止解除により調節弁を全開(100%)に戻して計量を再開します。
(5)入力パルスの積算値が「プリバッチ値(バッチ設定値−プリバッチ設定値)」に到達すると、プリバッチステータス信号を出力しSV2を操作して調節弁を25%の開度まで絞ります(図2 ⑤)。
(6)さらに入力パルスの積算値が「バッチエンド値(バッチ設定値−漏れ予測値)」に到達すると、バッチステータス信号を出力し電磁弁SV1を操作して調節弁を全閉(0%)にします(図2 ⑥)。
調節弁を閉じてから、ある程度流れる量を見込むことができる「漏れ予測値」を設定しておくことによって、より精度の高い計量が可能になり、万一、調節弁の不具合による漏れ量が多い場合は、「漏れ検出設定値」をあらかじめ設けておくことで警報を出力します。
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以上に説明した制御システムは、ビルダーソフト(形式:SFEW3) *2 を使うことによって自由に構築することができます。
バッチ機能専用オペレーション画面
*1 『エムエスツデー』誌2012年7月号参照。
SC200Bの詳細形式、詳細仕様についてはホットラインまでお問合せください。
*2 ビルダーソフト(形式:SFEW3)は、エム・システム技研のホームページから無料でダウンロードできます。