2000年7月号 | |||||||
Application Note ーこんな使い方がありますー | |||||||
簡単な加減算の例(3) | |||||||
前回は、同じ流量レンジの流量信号の間での加算、減算について簡単な方法をご紹介しました。今回は、流量レンジが異なる場合の加算、減算についてご紹介します。 ●異なる流量レンジの2つの流量信号の加算 同じ流量レンジの場合の加算は比較的簡単に処理できましたが、流量レンジが違うと前回のようにアイソレータ1台での処理は困難です。 2つの流量信号の流量レンジが異なる場合は、それぞれに係数(重み)を掛けてから加算しなくてはなりません。 たとえば図1に示すように、0~150m3/hの流量信号と0~50m3/hの流量信号との和を0~200m3/hの信号として得る場合、加算する前に流量計Aには150/(50+150)=0.75、流量計Bには50/(50+150)=0.25を係数として、それぞれに掛けてから加算する必要があります。このような場合には、デジタル式演算変換器(形式:JF)を使います。デジタル式演算変換器JFには図3に示すような式が用意されていますが、その中の加減算の式(付加コード/3)を指定します。 K0は全体に掛ける係数ですから、影響がないように1を指定します。K1は流量計Aに対応する係数0.75を、K2は流量計Bに対応する係数0.25を指定します。A0~A2はそれぞれに加算するバイアスであり、今回はすべて0を指定します。この結果、出力 4~20mAは、流量計Aと流量計Bを加算した0~200m3/hに相当する信号になります。 ●異なる流量レンジの2つの流量信号の間の減算 たとえば図2に示すように、流量レンジ0~150m3/hの流量計Aの信号から、流量レンジ0~50m3/hの流量計Bの信号を差し引く場合、加算の場合と同様、K0には1を、K1には150/150=1を指定します。また、K2には減算のマイナス符号をつけて-50/150=-0.33を指定します。バイアスのA0~A2については、加算のときと同様 0を指定します。デジタル式演算変換器JFの出力 4~20mAは、流量計Aと流量計Bの差0~150m3/hに相当します。 なお、今回ご紹介した用途にはアナログ式加算器(形式:ADS)、アナログ式減算器(形式:SBS)もお使いいただけます。 次回は、入出力にバイアスをともなう場合の演算方法についてご紹介します。 ■
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