2002年4月号 | |||||||
Application Note ーこんな使い方がありますー | |||||||
電源なしアイソレータ(形式:M2SN) | |||||||
今回は、「電源なしアイソレータ」をご紹介します。電源なしといっても、まったく電源を必要としないわけではなく、入力信号(DC4~20mA)で変換器本体を動作させています。したがって、変換器本体には入力信号と出力信号の配線をするだけで、電源用の配線は要りません。なお、入力信号から駆動電力を得るため、入力仕様はDC4~20mAもしくはDC10~50mAに限られます。エム・システム技研のプラグインタイプ変換器のほとんどすべてのシリーズに電源なしアイソレータがラインナップされています。図1にみにまるシリーズの電源なしアイソレータ(形式:M2SN)の仕様と外観を、図2にそのブロック図を示します。図1に示すように、1チャンネル形と2チャンネル形が用意されています。2チャンネル形の場合、チャンネルあたりの価格は19,000円であり、コストパフォーマンスと収納効率に優れたアイソレータといえます。また、低い消費電力で動作しているため、他のみにまるシリーズ変換器と密着取付けをしても発熱による悪影響の心配はありません。 図3には、PLCのアナログ入力各チャンネル間を絶縁するアプリケーションを示
します。PLCのアナログ入力としては、マイナス側がコモン(共通)の電圧入力が一般的です。このため、フィールドからの各種信号を直接PLCに入力すると、信号の回り込みや各信号の電位差の違いから、思わぬトラブルを発生することがあります。このような場合、アイソレータを使用し、フィールド側からの信号を絶縁してPLCに入力することでトラブルを避けることができ、有効です。また、フィールド側の接地や短絡などの事故からもPLCを保護することができます。DC4~20mA入力/DC1~5V出力のM2SN-□A6の場合、等価入力インピーダンスは約250Ωです。また、出力インピーダンスは50kΩ以上になっていますから、一般的なPLCのアナログモジュールに問題なく接続できます。しかし、DC4~20mA入力/DC4~20mA出力のM2SN-□AAの場合は、等価入力インピーダンスが「230Ω+負荷抵抗」であるため、若干注意が必要です。たとえば、M2SN-□AAに250Ωの負荷を接続すると、フィールド側から見た等価入力インピーダンスは480Ωになります。 PLC計装やパソコン計装では、フィールドの信号をいかに安価に取り込むかが重要なポイントとです。このような場合、コストパフォーマンスとスペースファク
ターに優れた電源なしアイソレータが威力を発揮します。 ■ *みにまるはエム・システム技研の登録商標です。
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