2004年4月号 | ||||||||||||
R3シリーズ発売で充実した
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(株)エム・システム技研 企画室 |
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(1)ビルディングブロック構造 R3シリーズは、R5シリーズと同様にビルディングブロック方式の構造を採用しています。この構造には、通信プロトコルの種類や入出力信号の種類に応じて、通信ユニットやI/Oユニットを自由に組み合わせて使用できるというメリットがあります。また、R3シリーズでは電源ユニットと通信ユニットを一体にしたモデル(図4)も用意し、次項に述べる多チャネル化と併せ、少点数のリモートI/Oノードとして高いスペース効率を実現できます。 (2)多チャネルアナログI/Oユニット R1シリーズには、コスト面でメリットの大きな各種の多チャネル(8点/16点)アナログ入力モデルがありますが、R3シリーズでは、各種アナログ信号用のI/Oユニットとして、入出力4点/8点/16点のモデルを用意しました(R5シリーズには、1点もしくは2点用のI/Oカードがあります)。同一種類のI/O点数が多い場合には、I/Oユニットを多チャネル化することにより、コスト面、取付けスペース面できわめて有利になります。また、入出力4点、8点のモデルには、R5シリーズと同様にチャネル間を完全に絶縁したタイプも用意しています。 (3)各種オープンフィールドネットワーク対応通信ユニット エム・システム技研のリモートI/O製品は、お客様がマルチベンダシステムのコンポーネントとして広くお使いいただけるように、世界の各種オープンフィールドネットワークへの対応を目標としてきました。そして、R1、R5シリーズの開発を通じて国内外で普及している主要なオープンフィールドネットワークの大半を網羅するモデルを用意することができました。R3シリーズでは、当初CC-Link、ModbusおよびEthernet(Modbus/TCP)用の通信ユニットから発売を開始しますが、今後R5シリーズと同様な通信のバリエーションをラインアップする予定です。さらにビルオートメーションや電力管理用に広く普及しているLONWORKS対応の通信カードもラインアップに加える予定です。 またR3シリーズは、R5シリーズと同様に通信の2重化構成(通信ユニットの2台実装)が可能であり、通信ラインの冗長化や、それぞれに異なる通信プロトコルをもつ2台のマスタとの通信にも対応が可能です。 (4)エンベデッドコントローラユニット R3シリーズでは、高性能なMPUを搭載したエンベデッドコントローラユニットを開発中です。エンベデッドコントローラユニットは、実装するプログラムの内容に応じて連続制御やシーケンス制御、あるいはテレメータリングなどの高度なインテリジェンス機能を実現します。エンベデッドコントローラユニットは、リモートI/O製品の適用分野を大幅に拡大する可能性を秘めた製品です。本ユニットについては、後日稿を改めて詳しくご紹介します。
図5に挙げたのは、R3シリーズを用いたPLC制御/SCADAシステムの構成例です。R3シリーズにはEthernetの通信ユニットとPLCネットワーク用の通信ユニットが搭載され、それぞれがPCおよびPLCに接続されています。PCによる高速サンプリング用I/O装置とPLCの入出力装置を同一のR3シリーズが兼ねていますから、コスト的に有利であるだけなく、管理と制御でデータの一元化が図れます。 図6は、R5シリーズを用いたDCSのシステム構成例を示しています。通信ネットワークの2重化構成により、高信頼化を実現しています。R5シリーズは、カード1枚単位(1~2ループ単位)でのホットスワップが可能であり、メンテナンス性にも優れています。 図7に示したのはR1シリーズを用いたSCADAシステム(データロガー)のシステム構成例です。R1シリーズは、ネットワークを通じてPCに接続されます。R1シリーズの形状はデスクトップ設置にも適していますから、ラボでの測定あるいは仮設設備におけるデータ採取などの際に使い勝手が良いといえます。
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