をおいて再度電話を掛け直します。こうした処理は、回線制御ユニット(NCU)を内蔵したモデムにより自動的に実行されます。コンピュータから電話回線経由で掛かってきた電話も、同様にNCU機能によって、テレカプラ・ミニは自動的に取ることができます。回線が接続された後は、データ伝送処理に移ります。最近普及してきたISO(国際標準化機構)の通信を記述するモデルである、OSI(開放型システムの接続)参照モデルで使っている通信に関する用語によって、以下に説明します。

 (2)物理層

 物理層とは、伝送のハード関係の仕組みに関する部分です。原理はパソコン通信とほぼ同じです。電話回線を通信路として使い、回線に接続されるテレカプラ・ミニの数には制限を設けていません。テレカプラ・ミニからデータを収集する目的で電話回線に接続されるコンピュータの数にも制限がありません。テレカプラ・ミニとコンピュータ間の距離についても、電話回線を使用しているため実質上の制限はありません。伝送速度は1200BPS(Bit Per Second、1秒間当たり何ビットかを表す単位)送るとしています。この速度は最近発表されている大部分のインテリジェント形トランスミッタと同じです。その他の通信仕様としては、シリアル伝送(データ長:8ビット、ストップビット:1ビット、パリティビットなし)、PSK(Phase Shift Keying、位相変調の一種)、非同期全二重通信を採用しています。
 ここで、電話回線を使用したデータ伝送の原理を簡単に説明します。すでにご存知の方は、読み飛ばして下さい。
 通信データは、手紙や報告書のように文字(アルファベット)と数値で構成されています。これらはそのまま送れないので、いったんアスキー定義に従って変換され、数値化されます。たとえば、Aには41H、1には31Hが割り付けられます。ここで、Hは16進数であることを意味します。
 変換された数値はさらに2本の線で送れるデータにするため、並列データと直列データの変換を行うLSIを用い、8ビット単位に0、1の直列データへと変換します。次に、モデムにより0、1のデータ列を位相の異なる正弦波に変えて(変調して)電話回線を駆動します(この変調をPSK変調と呼んでいます)。ここで、なぜ変調が必要になるかと言えば、データを変調しないで電話回線を駆動す

     
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