PID演算ユニットの特長と機能
マルチループ用フィールドネット形変換器 25PID


(株)エム・システム技研 開発部 主管技師

はじめに

 最近パソコンやプログラマブルコントローラ(PC)の機能と信頼性の向上は著しく、そのコストパフォーマンスの良さから、これらの製品の適用分野は急速に拡大しています。
 このような背景の下、通常規模プラントの計装については、専用の計装制御システムで行うよりも格段に経済的なパソコンやPCを中心に構成された監視操作システムで行う環境が整いつつあります。
 エム・システム技研には、このようなシステムのいわば手足として機能するアナログ変換器として25ユニットシリーズという製品群をもっています。ここでは、このシリーズの変換器の1つであり、プロセス制御に使用するPID演算ユニット(形式:25PID)の特長と機能について説明します。
 この説明に先立ち、プロセス制御になじみのうすい方のためにプロセス制御の基礎を簡単に解説します。

 1.プロセス制御の基礎

 プロセス制御の例として図1のタンクのレベル制御について考えてみます。簡単なプラントですが、プロセス制御として考慮すべき点を多数含んでいます。

 (1)プラントの説明

 タンクにはF1の流入量があり、F2の流出量があります。タンクレベルが一定でバランスしているときには、当然F1とF2の流量は等しくなっています。タンクレベルはバルブV1の開度を操作することによって変化できます。また、流出量はバルブV2の開度を操作することにより変えられます。

 (2)手動制御と自動制御

 手動制御とは、人間がタンクレベルを監視しながらバルブV1の開度を設定することを意味します。このプラントの場合、V2の開度を変更したり、ポンプの吐出圧が変化しなければ(このような操作や変動を外乱といいます)、目標とするタンクのレベルにあったV1の開度をいちど設定すれば、以後変更する必要はありません。しかし、外乱が発生した場合には、人間がV1の開度を再調整しなければなりません。

     


 
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