設定値との偏差がある限り制御出力は修正され、やがて偏差はなくなります。微分制御は、応答の即応性を高めるために役立ちます。

 (6)カスケード制御

 制御理論の本にはあまりカスケード制御の解説がありませんが、プロセス制御では広く活用されている重要な制御方式です。図2の構成でポンプ吐出圧が変化した場合でも、フィードバック制御のおかげでタンクのレベルは乱れますが、やがて設定値に落ちついていきます。カスケード制御は、このような場合に、タンクのレベル変動を小さくできる制御方式です。カスケード制御のループ構成を図4に示します。
 カスケード制御は、操作端側に生じる外乱によって制御したい量(この例では流入量)が変動するのを防ぎ、プラントの制御性を良くするために使われます。カスケードという言葉はこの例のように、レベル制御ループの操作量を流量制御ループの設定値とし、2つの制御ループを従続接続することをいいます。カスケード制御を実現するため、流量制御ループ用として余分なセンサと調節計が必要になりますが、プラントの制御性が改善されるという利点があります。すなわち、ポンプの吐出圧が変化して流量が変化しかかると、バルブV1の開度がすばやく修正されるため、タンクレベルの変動としては大きくは現れません。

 2.PID演算ユニット

 (形式:25PID)
 PID演算ユニットは、25シリーズのカード形アナログ変換器を収納できる通信機能付きネスト25C□に収納されます。アナログ信号はこのネストでデジタル値に変換され、シリアル通信でプログラマブルコントローラ(PC)もしくはパソコンに伝送されます(図5)。
 PID演算ユニットおよびそのすぐ左隣に収納された入力用変換器を組み合わせて、PIDコントローラが構成されます。
 こうして構成したネストの特長

     





















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