プログラミングユニットを使おう(3)

 今回は熱電対を入力とする温度変換器“カップル変換器”(□JT)を対象としてプログラミングユニット(以下、PU-2とします)の使い方を紹介します。

熱電対の種類と使い分け

 熱電対にはさまざまな種類があり、測定温度範囲、使用環境、所要精度などに応じて使い分けがなされています。
 B、R、S(PR):+白金ロジウム、-白金
 高温測定用に適しています。常用限度は1400℃(Bは1500℃)で、起電力は小さいですが、耐酸化性が大きいのが特長です。
 K(CA):+クロメル、-アルメル
 起電力が大きく、直線性も優れているので、最も広く用いられています。太いものを用いれば、常用温度も1000℃と高く、耐酸化性も比較的良好です。
 E(CRC):+クロメル、-コンスタンタン
 起電力が最も高く、中温領域の測定用に適しています。精度も良く、常用限度は太いもので700℃くらいです。
 J(IC):+鉄、-コンスタンタン
 常用温度が300℃と低く、おもに低温用として用いられています。
 T(CC):+銅、-コンスタンタン
 起電力は大きいが、耐酸化性は低く、高い精度で測定したいところには適しません。
 各種熱電対の温度と起電力の関係を示すと図の通りで、その関係はリニアではありません。このため、熱電対の起電力を入力して、測定温度に比例した出力を得るためには、変換器側で信号の直線化すなわちリニアライズをせねばなりません。リニアライズ機能をもった温度変換器には、各種熱電対に応じて入力を補正し、測定温度の変化に比例した出力が得られるようになっています。このため、熱電対の種類を変えると、温度変換器のリニアライズのための補正も変えてなくてはなりません。
 したがって、ハードでスペックが決まる従来の変換器では、入力側の熱電対や測定温度レンジを変えると変換器自体も交換せねばなりませんが、スペックソフト形変換器では変換器のハードを交換することなく、PU-2を用いて簡単に熱電対の種類と測定温度レンジの変更が可能です。それでは、K熱電対を入力とし、測定温度範囲が100~800℃に設定されたスペックソフト形変換器を、J熱電対入力で測定温度範囲50~300℃に変更するときのプログラミングユニットの操作法を紹介します。

まず最初に変換器の電源を入れる

 前号でも書きましたが、PU-2を変換器に接続する前に、必ず変換器の電源をONにしてください。また、PU-2を接続したまま、変換器の電源をOFFにすることも厳禁です。これは必ず守ってください。

変換器の設定内容を見る

 現在設定されている内容を見てみましょう。変換器の電源を入れた後、PU-2と変換器とを専用コー

     



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