現在のプロセス制御システムでは、現場にある差圧伝送器やバルブ等と制御室にある制御装置であるDCS(分散制御システム)やパネルマウント形の指示調節計との間の信号伝送はDC4~20mAの電流信号で行うのが一般的です。この伝送方式に代わる新しい優れた方式としてフィールドバス方式が考えられています。新しい方式はデジタル通信による方式です。このため、新方式が普及するにはいくつかの課題があります。最も大きい課題として、新方式での通信規約の標準化という大切な作業があります。
フィールドバスの標準化は、国際的には米国のISA(Instrument Society of America)のフィールドバス委員会であるSP 50で最も熱心に審議されています。決定された規格の内容が直接メーカーの製品開発に影響を与えることから、世界中の主要な計測制御機器メーカーはこの委員会に参加しています。エム・システム技研は、1990年4月からこの委員会に参加しています。この欄では、こうした活動を通して得られる世界中のフィールドバスに関連した話題を適宜お伝えしていきたいと思います。
ただし、このレポートの内容には自由にエム・システム技研独自の見方や解釈も加える予定であり、必ずしもすべてがISA等の団体の立場を代弁する内容ではない点にご留意願います。