(24万Aという記録もあります)の電気をもっていますから大きい電磁誘導が考えられます。
 では、電磁誘導によってどうして電子機器が壊れるのでしょうか。電子機器は普通、入力、出力、電源から成り立っており、どうしてもケーブルで接続される運命にあります。このケーブルが問題なのです。雷電流が流れた場合、流れた経路の周囲に強大な磁界が発生し、磁界の向きと電線の向きが直角になっていると、誘導電圧が発生します。その誘導電圧は流れた電流に比例し、距離に反比例し、時間が短いほど大きい電圧となります。ですからケーブルのように長く長く電線を張り巡らしますとケーブルがアンテナとなって、雷の電流によって大きな誘導電圧をもらってしまうのです。

 3.誘導による障害

 雷が遠くで起こっている場合でも機器が壊れてしまうのは、この電磁誘導によるものなのです。電子機器では、普通、2本の電線を使用しますが、その電線に電磁誘導が起こった場合、まず地面(アース)に対して大きい誘導電圧(5万V以下)が発生して、電線と機器のケースの間でピチピチと放電が起こり、電子部品を破壊してしまいます。また、2本の電線にそれぞれ電磁誘導が同時に起こったとしても、電線を伝わって機器まで到着する時間に、それぞれの電線でほんの僅かの差が生じます。このタッチの差によって2本の電線の間で電圧(数千Vに達することがあります)が生じ、その電線間にある電子部品を壊してしまいます。このように、電子機器の雷による破壊はアース間電圧によるものと、電線間電圧によるものの2種類あります。

 4.電磁誘導の対策

 電磁誘導の対策として一般に静電シールドが施されていますが、はたして完全に防止できるのでしょうか。静電シールドは電気的に機器をアースで包むことですから、電気に対してはほぼ完全ですが、磁気に対してはあまり期待できません。磁気遮蔽を考慮して鉄性のコンジットで電線を囲んで

     






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