4.38シリーズの選択方法

 38シリーズを選択するとき、大きく分けて次の2種類の方法があります。
 第一は、ネスト形状から選択し、そのネストに合う機能のカードを選ぶ方法です。ネスト形状は、アナログ用ネストと形状を合わせるのも一つの方法です。この方法で選んだ場合、そのネストに合うカードがない場合がありますから、カード機能から再度選択することになります。
 【例】アナログ用ネストに18BXEを選び、供給電源をAC100Vとします。これに対応する接点用ネストは、38BXESです。このネストでは、供給電源をAC100Vにできるため、パネルの電源がシンプルになります。
 第二は、カード機能から使用目的にあうカードを選択し、次にそれに適合するネストを選択します。この場合、アナログ用と接点用でネストの形状が異なる場合が生じます。しかし、ネストが異なっていても19インチ標準ラック取付であれば問題はありません。
 【例】機能からループバック機能付きリレーカードが選択されたとします。これに対応するネストは、38N-Bタイプです。

(1)ネスト形状からの選択

  ●標準19インチラック取付 38BXCS、38N-B□、38D-B□、38S-B□
  ●横河電機製CENTUM-XL取付 38BXS

(2)リレーカード機能から選択

  ●無電圧接点出力 38BOS、38BIS1
  ●有電圧接点出力 38S-51、38D-51
  ●モータ起動/停止信号 38BSH
  ●入力リレーカード 38BIS1、38S-11、38D-11
  ●ループバック機能付 38N-2
 リレーカードは、お客様の要求によって製作しております。


















































     
用語説明

●ループバック機能
 DCSからの制御出力に対し、フィールド側の応答信号(アンサーバック)を模擬した信号を返す機能です。この機能があれば、現場でのDCSのソフトデバックをフィールド側(検出端・操作端)と切り離した状態で容易に行えます。
●DCS
 Distributed Control Systemの略で分散制御システムともいいます。
【DCSの主要なメーカーと製品名】
横河電機製:CENTUM-XL/μ-XL
山武ハネウエル製:TDCS 3000
日立製作所製:EX1000/5000
東芝製:CIEMAC
日本触媒製:CATOX
 エム・システム技研では、上記のDCS各社に直結できるコネクタを用意しています。現在、揃えていないコネクタでもユーザーのご要望に応じて製作いたします。どうぞ、ご連絡ください。
●トランジスタ接点
 現在販売されている各社のDCSの接点出力ユニットでは、ほとんどがトランジスタを用いています。これは、トランジスタ接点にすることによって実装密度が高くできることと、消費電力が抑えられるためです。このため、DCSの接点出力には、リレーカードを使用し、接点負荷容量を増加することが前提となっています。
●接触不良
 リミットスイッチなどの現場機器では、プラントの腐食性雰囲気など環境条件の影響をまともに受けるため、接点の接触不良が起こりやすい状況にあります。とくにDCSでは、接点に流す電流が小さいため、絶縁皮膜が発生した場合、すぐに接触不良を起こします。
●インタロック
 DCSでは、直接出力を操作することが可能であり、正逆両方の信号が同時に出力される場合が発生します。これを防止するため、一方のリレーが動作中には、他方のリレーが動作しないようにします。これをインタロックといいます。
●リレーボード
 当社では、1~4チャンネルのリレー回線を1枚のプリント基板にまとめたものを「リレーカード」と呼び、それを収納するものを「ネスト」と呼んでいます。また、32個(または16個)のリレーを1ボードに搭載したものを「リレーボード」と呼んでいます。
●計装メーカーのDCSとシーケンサメーカーのPLC
 計装メーカーは、システム内に他社製品が入ることを一般に許していません。したがって、DCSとPLCを接続する場合、計装メーカーから「信号の絶縁」を要請されるのがふつうです。
●ステータス信号
 スイッチを「オン」したあと、そのままオン状態を維持する信号をステータス信号といいます。
●ワンショット出力
 前項のステータス信号と異なり、スイッチを「オン」したあと一定時間が経過すると自動的にオフとなる信号をワンショット信号(出力)といいます。
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