(ダイヤルを回すことによりNTTの交換器が相手側に回線を接続する)のに対し、専用回線では常時、相手側に回線が接続されています。このため専用回線は不特定多数の相手に回線を接続することはできませんが、ダイヤルの操作も話し中のための待ち時間もないので、遠方監視制御用として数多く使用されています。 専用回線にも銀行のオンラインシステムなどに使用されている高速かつ大容量の通信ができるものから、低速通信しかできないものまで多くの品目があります。これらの品目のなかで遠方監視制御には、帯域品目(*1)3.4kHzと符号品目(*2)50bpsの2種類の回線が一般的に使用されています。 帯域品目3.4kHzとは、周波数帯域0.3~3.4kHzを自由に利用できるもので、モデム(変復調装置)を接続することによってデータ通信が可能になります。このときモデムの機能によっては9600bps以上の伝送速度でデータ通信が可能となりますが、遠方監視制御の場合多くはFSK(Frequency-Shift Keying)(*3)と呼ばれる変調方式を用い、200bpsの伝送速度でデータ通信が行われています。この回線によれば音声を送ることができるため、多くの場合テレメ・テレコンには連絡用の電話が併設されます(*1、*2、*3用語説明参照)。 符号品目50bpsは、データ伝送速度が50ビット/秒以下の符号伝送のみに使用することができるもので、音声を送ったりモデムを接続することはできませんが、使用回線料が安いため速度を必要としない遠隔監視には多く使用されています。 2.DH シリーズの概要 DHシリーズはNTT専用回線(帯域品目3.4kHz、または符号品目50bps)を用いてアナログ信号、パルス信号および接点信号を1対1または1対Nで送受信することのできるテレメ・テレコン装置です。 3.DH シリーズの基本仕様 (1)共通仕様 ●伝送データのチェック 反転2連送照合 パリティチェック ●電源 AC85~132V 消費電力約17.5VA ●寸法、重量 幅53×高さ300×奥行き228 約2kg ●入出力用端子台 電源用 DIN規格コネクタ 信号用 40極脱着式端子台 ●構造 壁表面取付、金具にてアングル取付 ●ケース材質 プラスチック、ベージュ色 (2)テレメ・テレコンユニット(DHM) ●入出力 アナログ信号6点(うち3点をパルス信号にも使用可) 監視接点信号16点 制御接点信号8点 ●増設機能 増設ユニット(DHS)を接続可能 ●回線接続 帯域品目3.4kHzにはモデムを内蔵、符号品目50bpsには回線接続ユニット(MOD)を外付けする。 ●連絡用電話 NTS-702Z(日本インターフォン製)を接続可能、電源(+6V)、呼び出しおよび切り換え接点信号を内蔵 (3)拡張ユニット(DHS) ●入出力 アナログ信号6点(うち3点をパルス信号にも使用可) 監視接点信号16点 制御接点信号8点 ●接続 付属専用ケーブルにて接続 (4)切換ユニット(DHN) ●回線接続数 帯域品目用(DHN-2)8回線 符号品目用(DHN-1)16回線 ●回線接続 帯域品目3.4kHzにはモデムを内蔵、符号品目50bpsには回線接続ユニット(MOD)を外付けする。 ●連絡用電話 NTS-702Z(日本インターフォン製)を接続可能 ●コンピュータ接続インタフェースRS-232-C(9ピンD-subコネクタ) 4.DH シリーズの特長 (1)入出力点数 1局当たりアナログ信号6点(12点)、監視用接点信号16点(32点)、制御用接点信号8点(16点)、パルス信号3点(6点)があります。( )は増設ユニットDHS |