演算器の使い方(2)
温度圧力補正の係数とバイアスの決め方



(株)エム・システム技研 開発部 副部長

 前回は、昔から多くの計装システムの中で使用されてる加減算器の係数およびバイアスの求め方を説明しました。
今回は、流量測定の際に多く用いられている温度圧力補正用乗除算器の使い方について説明します。

 6.乗除算器

 乗除算器は気体の容積流量の温度および圧力補正を行うために用いられます。
 液体の場合は、温度および圧力の変化によってその容積はほとんど変化しません。しかし、気体の容積は温度と圧力の影響を直接受けます。
 この変化は、ボイルの法則「定温下で気体の体積と圧力の積は一定である」およびシャルルの法則「定圧下で一定量の気体の体積は絶対温度に比例する」によって示されます。
 絶対温度とは、-273.2℃を0とする温度で単位はKです。℃からKを求める換算式は、次のとおりです。
 K=℃+273.2
 また、絶対圧力とは真空を0とする圧力で単位はkg/cm2ABSです。プロセスにおける圧力は大気圧を0とし、ゲージ圧と呼ばれ、単位はkg/cm2G(Gは省略することもある)です。絶対圧力に換算するには次の式を用います。
 kg/cm2ABS=kg/cm2G+1.033
 図1は、熱電対で流体の温度を、また圧力伝送器で流体圧力を測定し、これらの信号によって流量補正する例です。熱電対に対してはスペックソフト形カップル変換器(形式:JT)を組み合わせて統一信号(DC1~5V)に変換し、圧力伝送器に対しては絶縁付ディストリビュータ(形式:YVD)を使用します。


       













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