温圧補正した流量信号は表示器に表示され、同時に制御弁のコントロールに使用されます。
 乗除算器も、加減算器と同じように表示機能をもっていないため実目盛りは存在しません。入力信号および出力信号は、DC4~20mAまたはDC1~5Vでやりとりされるだけです。また、演算器内では0~1または0~100%で計算されます。
 乗除算器の計算には、温度と圧力のそれぞれに基準点が設けられます。これを基準温度および基準圧力と言います。基準温度および基準圧力の場合は流量補正は行われません。すなわち、入力信号と同じ信号が出力されます。

 7.係数の計算(圧力補正)

 まず、圧力補正だけを考えます。加減算器では係数は固定でしたが、ここでは圧力によって係数が変化すると考えると分かりやすいと思います。
圧力に関する補正式は次のとおりです。
 X0=(K1×X2+K2)×X1
 X0:補正後流量
 X1:補正前流量
 X2:圧力信号
 K1:補正係数
 K2:補正バイアス
K1は次の式で求められます。
 この式によって圧力が0%から100%まで変化したときの係数の変化幅が計算できます。このとき、伝送器のレンジにはゲージ圧を使用していますから絶対圧に変換する必要があります。
 通常圧力伝送器は0kg/cm2Gからのレンジとなっていますから、K2は次のようになります。
 分子の1.033はゲージ圧0kg/cm2Gを絶対圧力に変換したときの値です。なお、圧力伝送器の最小圧力(出力0%)が0kg/cm2Gでなく、例えば2kg/cm2Gのときは分子側に絶対圧力(3.033kg/cm2ABS)を入れてください。この場合にあげる例題ではK1のスパンも8kg/cm2に変更されるので補正係数も変わります。
 以上の計算から圧力に対する補正係数と補正バイアスが求められます。
 例題で計算してみましょう。
 圧力伝送器レンジ:0~10kg/cm2G
 基準圧力:6kg/cm2G
 圧力による補正は次のようになります。
 X0=(1.422×X2+0.147)×X1

 8.係数の計算(温度補正)

 つぎに温度補正の係数を求めてみます。補正式は次のとおりです。
 X0:補正後流量
 X1:補正前流量
 X3:温度信号
 K3:補正係数
 K4:温度最小目盛りに対応する補正バイアス
K3は次のように求めます。
 圧力の場合は最小目盛りを0kg/cm2Gにすることが多いのですが、温度の場合は必ずしも0℃

     



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