とは限りません。それゆえ、K4を求めるときに最小目盛温度を使用します。
![]() 温度レンジ:0~500℃ 基準温度:300℃ ![]() ![]() 温度と圧力の両方によって同時に補正する場合は、すでに説明した圧力の補正と温度の補正の両者を掛け合わせることによって行います。 温圧補正=圧力補正×温度補正 ![]() X1:補正前流量 X2:圧力信号 X3:温度信号 K1:圧力補正係数 K2:圧力補正バイアス K3:温度補正係数 K4:温度最小目盛りに対応する補正バイアス 10.係数の検算 以上算出した係数が正しいかどうかを検算してみましょう。 基準圧力および基準温度のときには流量値は入力と同じ値になります。すなわち、圧力側および温度側の係数がどちらも1となります。検算してみましょう。 圧力補正の場合 X0=(1.422×X2+0.147)×X1 括弧内が補正係数となるので次の値を入れて計算します。 X2:6kg/cm2G(基準圧力値)=0.6 K=1.422×0.6+0.147=1.002 以上のように係数=1になりました。計算結果に誤差があるのは補正係数算出時に四捨五入しているからです。 温度補正の場合 ![]() X3:300℃=0.6 K=0.872×0.6+0.477=1.002 温度についても基準温度における係数はK=1となります。 11.オリフィスの場合 オリフィスの場合、X1の流量信号は差圧信号になります。温圧補正を行う場合、差圧信号に温圧補正を掛けます。次にその結果を開平演算します。 おわりに この演算器の係数の求め方は、理想気体を前提としています。実際のプラントで使われる気体は厳密な意味での理想気体ではありませんが通常、許容範囲として使用しています。もし著しく異なる場合は演算結果に係数を掛けて補正します。 蒸気を対象とする圧力補正の場合には通常の演算器では補正ができない場合もあります。 石油などに対するASTM補正を乗除算器で行うことは不可能です。この場合には温度と密度のテーブルをコンピュータに記憶させておき、これを使って補正演算を行う必要があります。DCSにおいてもフィールドコントローラにおける演算では処理できず、別のコンピュータで処理するケースが多くあります。 蒸気の補正演算の場合でも、広いレンジで正確な演算を行うには蒸気率表をコンピュータに記憶させて演算する方法がとられます。これらの場合は特性がリニアではないためです。 演算器(とくに乗除算器)の内部では係数が大幅に大きくなるケースが発生します。このとき問題になることは内部演算データの飽和です。内部で演算データが飽和すると正確な結果が出力されずプラント運転に支障をきたすことがあります。エム・システム技研の演算器(形式:JFKほか)では内部演算データが50,000%まで演算可能ですから、飽和を考えることなく安心して使用できます。 |