世界のフィールドバス事情 第16回
ISAでのフィールドバスの標準化
(その14)


鳥取 輝美
とっとり てるよし
(株)エム・システム技研 開発部 主管技師

 フィールドバスのネットワークとシステム管理

 ISA/SP50のフィールドバス規格の開発の最終段階でつくる必要となる規格として、フィールドバスのネットワークとシステムの管理方法に関する規格があります。そこで今年の夏、この規格を開発するためSP50委員会の中に新しい小委員会が設置されました。
 すでに企業グループによりフィールドバスの普及活動を行うISPやWorldFIPが組織化されています。そして、各々の仕様に基づくフィールドバスの実証展示が本年9月シカゴで開催されたISAショーや10月に晴海で開催された国際計測展において行われました。こうした状況下では、ISAでのフィールドバス規格に関する新しい委員会の設置はやや遅すぎるとの印象を受けます。しかし、必ずしもそうではない理由があります。
 SP50のフィールドバスの規格はOSIの基本参照モデルに基づいて開発しています。この規格のメインはユーザー層、応用層、データリンク層、物理層の仕様です。フィールドバスのネットワークとシステムの管理方法に関する規格は各層および層全体の管理方法を定めます。したがってこの規格は、各層の規格が確定した後、はじめて決定できます。
 この規格の必要性はSP50のフィールドバス規格開発の初期の段階から認識されていました。現時点で、SP50の規格は応用層を除いて物理層、データリンク層、ユーザー層の仕様がほぼ固まってきています。そこで、フィールドバスのネットワークとシステムの管理方法についても審議できる状況になり、新しく委員会が設置されました。
 この委員会の初回の会議は、1993年7月に、米国のフィラデルフィアで開かれました。以下に紹介する内容は、ISA発行のISA/SP50-1993-489、499の報告文書によります。
 この会議では規格開発にかかわる活動内容を明確にするために“ブレーンストーミング”スタイルの討論が行われています。そこでは、今後の検討作業について次の点が指摘されています。
●規格開発の基となる団体、資料など
 物理層委員会、データリンク層委員会、応用層委員会
 IEC TC65/WG6(ファンクションブロック)
 ISP、WorldFIP、
 ISO/OSI 8802-2(管理)など
●規格開発の進め方
 一般的には、本委員会のメンバーから提出される提案書や、SP50の種々の委員会から提出される課題を審議することにより進めます。ISP、WorldFIPからのワーキングペーパー(規格のたたき台)の提案も期待されています。また、フィールドバスとは応用分野が異なりますが、同様のテーマをカバーしている規格も調査します。


     





















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