DCSの安全性確保に貢献する制御出力バックアップ操作器(形式:11JB)

小林 康雄
こばやし やすお
三菱石油エンジニアリング(株)
仙台事業所 計装グループ 主査


 はじめに

  1970年代に世に出た分散制御システム(DCS:Distributed Control System)は石油業界の制御分野にも早い時期に大きな影響を与えました。DCSは、(I)集中監視オペレーション(CRTオペレーション)、(II)マルチループボードオペレーション(CRTも装備)、(III)シングルループボードオペレーションの3種類に大別され、それぞれに導入された経緯をもっています。
 当初は安全性、信頼性、監視の難易、緊急時の操作性に関連して議論百出の感がありましたが、時間の経過と共にハードウェア、ソフトウェアの両面でユーザーニーズがシステムに反映され、普遍化され、DCS制御は公知の技術として定着しました。さらに、省人化のツールとして、CRTオペレーション型のDCSが着目され、その導入は加速され、現在ではDCSまたはMMI(Man Machine Interface)、HMI(Human Machine Interface)といえばCRTオペレーションを意味する場合が多くなっています。
 最近の石油精製の製油所においては、老朽化計器の新規取り替えに際して、そのほとんどがCRTオペレーション型DCSを導入する傾向にあります。しかしながら、ユーザーサイドから見ると問題点も散見され、メーカーサイドの努力により種々改善されてはいますが、なお以下のような根本的な問題点をもっています。
 I.CRTオペレータステーションを操作しないと監視することができず、1台のMMIをオペレータ1人が占有する形となります。MMIは、高価で設置スペースを占有するためその設置台数は必要最小限ということになり、一般に

     





<前ページへ次ページへ>

*. 本ウェブサイト上に掲載されている情報は、掲載した時点での情報です。記載内容はお断りなしに変更することがありますのでご了承ください。

*. 本ウェブサイト上の表示価格には消費税は含まれておりません。ご注文の際には消費税を別途頂戴いたします。

MG 株式会社エムジー

Copyright © 1992 MG Co., Ltd. All rights reserved.