I.CRTオペレータステーションからの監視・操作が不可能となった場合は、本バックアップ操作器によりプロセス変量（PV）の把握および調節弁の操作が可能となり、装置の安全運転が確保できます。
II.緊急時にCRTオペレータステーションだけでは間に合わない場合、本バックアップ操作器によってキー操作と並行して調節弁を操作することにより、危険を回避することが可能です。
（2）設置方法
使用方法で紹介したI.の場合（図4）、当製油所において今回対象としたコントロールルームはCRTオペレータステーションとDCSキャビネットが同一フロアに設置されているため、オペレータの間近に本バックアップ操作器が設置されることになり、使い勝手が良くなっています。
また、既存のキャビネットにスペースがあったため、一部内部ハードウェアの配置変更により必要台数が実装できたので、コスト的に有利でした。
（3）設置台数
トータル300台を、年次計画で順次導入する予定です。
配線図は図8のとおりです。
5．東北石油仙台製油所におけるフィールドテスト結果
本バックアップ操作器の開発を終え、第1号機を仙台製油所内メンテナンス用DCSに実装して各種テストを実施しました。テストの過程で、計装技術員から操作性、安全性、メンテナンス性などの各見地からの意見が出されました。これを受け、エム・システム技研において第2号機を製作し、以下のテストを繰り返し、問題のないことを確認しています。第2号機のテストオペレーションからすでに6か月を過ぎましたが、その間もノートラブルで順調に動作しています。
（1）動作テスト
I.基準入力に対するプロセス変量表示。
II.基準入力に対する制御出力表示。
III.制御出力値の測定。
IV.MAN－CAS切換え操作。
V.制御出力スイッチによるUP－DOWN操作。
VI.外部信号によるMAN指令
