新しい電子制御システムを実現する
全電子式サーボアクチュエータ



(株)エム・システム技研 メカトロ事業部長

 はじめに

 プロセスの自動化が、エレクトロニクスの進歩と共に限りなく進んで行く中で、バルブの電子化についてみれば、必ずしも順調に推移してきたとは言えません。エム・システム技研は全電子式サーボアクチュエータとして、1984年にサーボトップを発売して以来、5000台を超える出荷台数になりますが、めだって増加してきたのはここ2~3年のことです。
 納入先の業種は、紙パルプをはじめとして、機械、化学、水道、食品、空調、窯業、サービス関係など多岐にわたっており、それぞれの分野でコントロールバルブの操作部として活躍しています。
 全電子式サーボアクチュエータは、調節計などからの計装信号(DC4~20mAなど)を受けてバルブの開度を制御するものですが、その主たる制御対象であるコントロールバルブの構造により、直動形と回転形に大別されます。直動形はグローブバルブなどに適しており、回転形はVボールバルブやバタフライバルブによく用いられます。またバルブの口径、流体の条件や使用状況などの違いに応じられるように、いろいろな機種が用意されています。
 それではエム・システム技研の製品を中心にして全電子式サーボアクチュエータをご紹介します。

 1.なぜ全電子式サーボアクチュエータなのか

 プロセス制御などの世界では、これまで空気圧を駆動源とするコントロールバルブがよく使用されてきました。しかし自動化が進み、制御のきめ細かさが要求されるようになると、電子制御のコントロールバルブの良さが生きてきます。
 まず第一に、全電子式では当然ながら空気圧を全く使用しませんから、空気圧に伴ういろいろな設備や、やっかいなメンテナンスが不要になります。
 次に、電気の伝わる速さは空気とは比較にならないほど速いのは周知のところです。制御装置の演算速度がどんどん上っていっても、全電子式なら直ちに応答できます。
 第三に、中央制御室など遠方からシステムをコントロールしていると、はたして中央からの指令通りに現場が動いているかどうかが気になりますし、万一異常事態が発生したときには、いち早く状況を察知して緊急指令を出さなければなりません。全電子式ではバルブのいろいろな情報(開度信号、ロック警報、過走アラームなど)を発信することができます。
 さらに、最近話題を賑わしているフィールドバスの時代になると、アクチュエータ側にマイコンを搭載して、PID演算や自己診断をさせなければなりません。こうなってくると、全電子式でなければ対応は不可能であると言っても、過言ではないでしょう。
 このように、全電子式サーボアクチュエータには空気式にはない多くの利点があるうえ、空気式にも劣らない耐久性や信頼性も持っていますので、これこそ新しい電子制御システムを実現するアクチュ

     
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