■配列機能(マーシャリング) 多重伝送ユニットDLA、22LAでは、入力出力間の組合せを、入力ユニットと出力ユニット単位で行っています。したがって、各ユニットの入力点が余れば、出力点も余ることになります。通常、現場に分散設置された各ユニットの入出力点数は、ユニット固有の最大点数まで使用されることは滅多にありません。 たとえば、複数の現場パネルに多重伝送ユニットを設置し、中央計器室にあるDCS(分散形制御システム)との間で信号を入出力する場合を考えます。 今までの多重伝送システムであれば、DCSの入出力カードと多重伝送ユニット間は、配線で1本ずつ接続しています。このために、設計作業と配線作業が必要です。 これに対し、トラヒック コントローラ(形式:DLC-05)を使えば、DCS本体部分と同様に、コネクタで直結できるようになります。 まず、多重伝送システムの出力ユニットとDCSの入力カードの組合せを決めます。出力ユニットに、コネクタ アダプタ(形式:CND)を取り付けると、DCSの入力カードには、コネクタで直結できます。次に、プログラミングユニット(形式:PU-2)を使用して、ソフト的に入力点単位で出力ユニットの行く先指定を行います。この結果をICカードに記憶、保存することもできます。トラヒック コントローラを予備品と交換するときには、このカードからデータを再ロードできます。 このようにすると、DCS側に設置する多重伝送ユニットには、入出力点の無駄が少なくなり、入出力ユニットのトータル台数が節約できます。この節約額とDLC-05を追加する費用を比較すると、ほとんどのケースでコストダウンが実現できるはずです。 ■警報機能 最近は、多重伝送システムをI/Oとするパソコン「ロギング/スキャニング システム」が使われるようになってきました。 このとき、最も問題になるのは、入力データの監視方法です。パソコン用高級言語で書いたプログラムによって入力監視を行うと、そのパソコンではほかのJOBがほとんどできなくなります。 トラヒック コントローラの警報機能を利用すると、この問題を容易に解決できます。トラヒック コントローラは、接点入力およびアナログ入力に対する警報機能をもっています。 トラヒック コントローラが多重伝送用ネットワーク(MsysNet)上のデータをスキャニングする周期は200msで、接点1点またはアナログ1点当たりの監視時間は、1.5msです。 例えば、アナログ入力を100点監視するのに必要な時間は、150msになります。 監視点数が多くなって、200msでは間に合わなくなると、スキャニング周期は、必要な時間だけ延長されます。 トラヒック コントローラで警報状態を検出したとき、それを外部に知らせる方法は二通りあります。 まず、各点個別に警報状態を接点出力ユニットに出力できます。さらに、必要ならば各点個別に上位パソコンに割り込み要求をかけることもできます。もちろん、警報状態を上位パソコンだけに知らせることも可能です。割り込み要求を受けたパソコンは、実行中のJOBを中断してトラヒック コントローラと通信を行い、警報点の状態を確認したうえで必要な処理を行います。 スキャニングシステムの場合は、パソコン側から定周期でポーリングを行い、各入力点の警報状態を一括して読み込みます。 |
設計者からのコメント (株)エム・システム技研 開発部 主席技師 トラヒック コントローラを実現するハードウェアは、すでに発売中の製品であるFFIシステム用インタフェースと同一のものです。これのソフトウェアを変えることにより、まったく別の目的の製品を作ることができました。
トラヒック コントローラと類似した機能をもつ製品は、従来ほとんどありませんでしたから、仕様をまとめるのにかなり苦労しました。 この製品の機能や特長を生かしたパソコンシステムなどの応用が多数実現されることを願っています。 |