電力管理に欠かせない電力用トランスデューサ (株)エム・システム技研 開発部 はじめに エム・システム技研は“計装用変換器メーカー”というイメージでよくご存知だと思います。しかしながら、変換器の中には計装用変換器以外に電力用変換器の世界があります。そこで扱うのは発変電・受配電設備の監視に必要なPT(交流電圧)、CT(交流電流)、電力、無効電力、力率、周波数、位相の信号であり、その変換器のことを“電力用トランスデューサ”と呼んでいます。エム・システム技研はこの世界でも最も機種の揃ったメーカーであることでも知られています。 今回はエム・システム技研の電力用トランスデューサを中心に、その特長をご紹介します。 1.取扱い上の特長 エム・システム技研の変換器の歴史は“プラグイン”という構造上の特長から始まりました。プラグインの最大の利点は変換器本体とソケットが配線を取り外すことなく容易に着脱できることです。 この特長を電力用トランスデューサに適用する場合に問題になるのが、CT(Current Transformer)の二次解放です。なぜなら、この変換器をソケットから引き抜くと、入力端子に接続されたCTの二次側が解放になるからです。CTを通電したまま二次側を解放すると、CTは二次側に電流を流そうとするため端子間に高電圧(数千V以上)を発生させ、危険であるばかりでなく、CTのコイルを焼損させてしまいます。CTの二次解放時に二次端子に発生する電圧の波形を図1に示します。 当社では、二次解放を防止するためのダイオードブロックをCT変換器に付けています。しかし、今までのダイオードブロック(形式:CTB)は外形が50×78×10mmと大きいため、電力変換器のようにCT入力が多数ある場合には、取付けが困難でした。今回、新たに22×19×9mmというCTプロ |
|