次は、1960年代の後半に始まったDDC(Direct Digital Control)の時代です。DDCは、1台のコンピュータでプロセス全部のバルブを操作する方式です。当時は、コンピュータが非常に高価だったために、工場全体を1台のコンピュータで制御するDDC方式が提案されました。
しかし、ただ1台のコンピュータが故障すると、工場の制御が全滅する危険が問題視されました。そのために、各種のバックアップ方法が検討され、ループごとに手動操作器をつけて、コンピュータのダウン信号により出力値を保持する方法、アナログ式調節計を1ループごとにつけて、PIDバックアップする方法などが採用されました。
マルチループDCSの時代
1975年に、日本国内ではCENTUM(横河電機製)が、アメリカではTDC(Honeywell社製)が発表されました。
マルチループDCS(Distributed Control System=分散形制御システム)は、複数台のコンピュータを使用してコンピュータダウン時の影響を分散化するものです。DDCの場合、1台のコンピュータで全制御ループを制御するために心配される全滅の危険性はDCSによって大幅に減少しました。
DCSができた当初は、1台のコンピュータが32ループ程度の制御を受け持っていました。しかし、コンピュータの機能アップと信頼度の向上に伴って、1台で制御できるループ数が増えてきました。そのために、コンピュータがダウンしたときの影響が、DDCの時代と同様に問題になってきました。これを解決するために、二重化方式が提案されています。ところが、二重化した機器の切換え手順が経