4.スーパーDCSの出力バックアップ(図4)

 二重化

 マルチループDCSの場合は、制御部が故障すると多数の制御ループがダウンするので、プラントに重大な影響を及ぼす可能性があります。そのために制御部の二重化システムが用意されています。しかし、変換器まで二重化するシステムは標準化されていません。
 スーパーDCSは、変換器にDCS機能を持ったものなので、これを二重化する要求はごく少ないと考えます。スーパーDCSの別の実現手段であるフィールドバスでも、現時点では未検討の状態です。

 出力バックアップの利点

 エム・システム技研では、スーパーDCSの場合、二重化するよりも制御出力のバックアップを行う方が現実的であると考えました。
 制御出力にアナログバックアップ(エム・システム技研製バックアップ用計器の商品名)を接続する場合、2通りの目的があります。
 1つは、重要なループを制御する制御カードの異常対策です。制御カードに異常が生ずるとRUN接点がオフになり、アナログバックアップの出力が一定値にホールドされます。この状態で、保守要員が制御カードの点検を行います。
 もう1つの目的は、プロセスの起動/停止時に必ず手動操作を必要とする場合への対応です。ボイラーや工業炉のバーナーがその例です。とくにバーナーの場合は、装置側(現場)にアナログバックアップを設置し、現場で立ち上げた後、計器室のディスプレイ上でAUTOに切り換えます。
 切換え操作をスムーズに行うために、スーパーDCSは、出力トラッキングと設定値トラッキングを行います。
〔次号につづく〕

     
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