エム・システム技研の温度変換器


(株)エム・システム技研 開発部 副部長


 はじめに

 エム・システム技研は、日本における変換器のトップメーカーとして計装用プラグイン形変換器M・UNITシリーズを月産6,000台、変換器全体では年間20万台余の製品を世界中に出荷しています。そのうち温度変換器が約30%にあたる6万台を占めています。この事実からエム・システム技研の温度変換器が高い品質と使いやすさで世界中の技術者の方々に広く受け入れられていることがうかがえます。
 今回は、温度変換器の中から熱電対変換器(カップル変換器)についてその性能と特長を紹介します。

 1.熱電対

 エム・システム技研の熱電対変換器には“カップル変換器”という名前をつけています。名前が示すように、これはカップルからの信号を入力する変換器ですが、カップルといっても恋人同志のカップルではありません。異なった金属同志のカップルです。
 違った種類の金属A、Bを図1のように接続すると、接続点J1、J2の温度差に応じて熱起電力が発生し、この閉回路に電流が流れます。この現象はゼーベック効果と呼ばれています。
 また、この現象を利用して温度を測定するため2種類の金属を接続したセンサを熱電対(サーモカップル)といいます。このサーモカップルで発生する起電力を入力する変換器という意味でカップル変換器と呼んでいます。

 2.冷接点補償

 図2のように熱接点J1をT1(℃)に加熱し、J2とJ2’を同じ温度T2(℃)にすると、熱起電力Eは温度T1に相当する起電力と温度T2に相当する起電力の差になります。
 たとえば、図3のようにJ1の温度を1,000℃とし、J2の温度を25℃とすると、熱起電力として現れるのは、25℃を基準温度とする1,000℃に対する起電力になります。したがって、一般に使われている0℃を基準温度とする熱起電力表を使って得られた起電力の温度に換算するためには、0℃を基準温度とする25℃に対する起電力を加える必要があります。すなわち、熱電対が接続されている端子(冷接点)の温度を測定してそれに相当する起電力分を加算することによって求めたい1,000

     
















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