コモンセンス

電力監視の名コンビCT変換器とPT変換器

真夏の日差しがかんかんと照りつける中で、甲子園球場の高校野球が白熱してくると、電力会社では中央制御室の計器をにらみながら冷や汗をかくほど、電力使用量が増えるといいます。現在のところ商用電力を溜めておくことはできませんので、使用量が増えればそれにあわせて供給量を増やさねばなりません。万一電力の使用量が供給量を越えたとなると大変なことになるし、また効率よく電力の生産をしないとコストに響いてくるということで、コンピュータを使ってきめ細かくコントロールしているのです。
 生産工場やビルなどでも1カ所の電力使用量がまだ少ないうちは、担当者が巡回して「配電盤用指示計器」を監視し、書き留めた記録をもとに運転管理していてもやっていけましたが、設備が増大して監視箇所が増えたり監視地域が拡大してくると、データを遠隔伝送して集中監視せざるを得なくなってきました。しかし、生の高電圧や大電流をそのまま中央制御室まで伝送するわけにもいかないので、電力用トランスデューサを使用してより小容量でノイズに強くリップルの少ない直流電気信号に変換・伝送し、データロガーやコンピュータなどに接続して電力管理を行うようになりました。
 ところで、こうした電力はどのようにして計るのでしょうか。一般に電圧と電流を別々に計り、その積を演算して電力を求める方法をとっています。
 交流の高電圧や大電流から絶縁した扱いやすい直流電気信号に変換する方法は、まず前段階として計器用変圧器(PT)や計器用変流器(CT)を使って、交流0~110V(あるいは0~220V)や、交流0~1A(あるいは0~5A)に落としておきます。そうしてから、この電圧や電流をそれぞれ「PT変換器」や「CT変換器」に入力すると、その大きさに応じた扱いやすい直流電気信号となって出力されます。この直流電気信号を指示計、記録計、コンピュータなどに入力して監視することにより、システムが正常に運転されているか、負荷が異常に大きくなっていないかなどを知ることができます。1つの例として図3に配電盤の単結線図の例を示しました。

     





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