計装豆知識

PID調節計と調節弁の正/逆の組合せ

 PID調節計を使用するとき、制御出力の変化方向を示す「正動作」または「逆動作」を設定する必要があります。
 一方、調節弁は、調節計からの制御出力信号が0%のとき全開になる「正作動」と全閉になる「逆作動」があります。
 制御ループを構成するとき、調節計と調節弁の動作方向の組合せが適切でないと、ネガティブ フィードバックがかからずにポジティブ フィードバックになってしまいます。
 単純な正/逆の組合せですから、何も考えずに決めても50%の確率で当たりますが、まじめに考えて決めた結果、間違えると腹が立つものです。
 そこで、計装システムのエンジニアリング作業を行うとき、ループの正/逆の組合せをその都度原理から考えずに、下記の組合せ表(表1参照)を使用すると正確な作業が機械的に実行できます。
 調節弁の作動と調節計動作の組合せを決めるときには、まず、フェールセーフの観点から調節弁の作動を決定し、次にPID調節計の動作を選択します。たとえば、蒸気により加熱する温度制御の場合、逆作動弁を使用する場合は、表1からPID調節計の動作は「逆動作」になります。
 PIDの調節計の動作と調節弁の作動について簡単に紹介しましょう。

 PID調節計の動作 

 ●正動作=偏差(測定値-設定値)が増加すると制御出力が「増加」する。
 ●逆動作=偏差(測定値-設定値)が増加すると制御出力が「減少」する。

 調節弁の作動

 ●正作動=空気圧がなくなると全開になる動作
 Airless OpenまたはAir to Closeということもあります。調節計からの制御信号(DC4~20mAまたは0.2~1.0kgf/cm2)が増加すると、弁が閉じる特性です。
 ●逆作動=空気圧がなくなると全閉になる動作
 Airless CloseまたはAir to Openということもあります。調節計からの制御信号が増加すると、弁が開く特性です。

     






















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