これらの関係式は前ページ左下の“電力の式”となります。この式を変形すれば、電力トランスデューサの直流出力を測定したとき、それに相当する一次側の電力がいくらになっているかもわかります。
 たとえばPT比とCT比をかけ算した値が1,000で、電力トランスデューサの出力が200W相当であった場合には、一次側が200kWの電力ということになります。
 次にいくつかの計算を紹介しましょう。
 【例1】単相2線式の場合
 図6に示す例について計算してみましょう。電圧はAC200Vで、PTは使用していません。したがって、この場合のPT比は1となります。また、電流は25A/5AのCTを使用しているので、CT比は5となります。ここで、一次側の最大電力が4kWの場合、電力トランスデューサの入力レンジは次のように求められます。

 【例2】三相3線式の場合
 図7に示す例について計算してみましょう。電圧は6.6kV/110VのPTであり、PT比は60となります。また、電流は50A/5AのCTですから、CT比は10となります。ここで、一次側の最大電力が500kWの場合、電力トランスデューサの入力レンジは次のように求められます。

 エム・システム技研の電力トランスデューサでは入力レンジに関して、PTの二次側電圧およびCTの二次側電流と配線方式の組合せで最も使用しやすいと考えられる“標準入力レンジ”を設定しています。各配線方式と対応する電力トランスデューサの入力レンジの関係を表1に示します。この値を選べば、その配線方式の最大電力でもトランスデューサの出力がオーバースケールすることはありません。また、読み取りやすい整数を設定しています。
 なお、ここに示した“標準入力レンジ”と異なるレンジにも対応しています。ただし、各トランスデューサに“製作可能範囲”と表記しているように、“標準入力レンジ”の50%~120%が対応可能範囲です。

 おわりに

 電力トランスデューサでは入力レンジの設定が必要ですが、その計算は仕組みを理解することで簡単に行えます。ここに述べた説明と計算例が皆様のお役に立てば幸いです。

     






























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