今月のアプリケーション

MsysNetのアプリケーション第4回
非線形PID制御


 非線形PID制御とは、非線形演算を含むPID制御のことであり、制御機器とプロセスの特性を組み合わせて、全体として線形になることを目的として一般に採用されます。たとえば、偏差(設定値と測定値の差)の大きさによりループゲインを変えるpH制御は、非線形PID制御の典型的な例です。pH測定値は、1pHの違いでイオン濃度が10倍ずつ変わる対数特性を原理的に持っています。またpH制御では、偏差とそれに対応して期待される弁開度変化幅との関係は、ノンリニアな特性になり、ループゲインを補償する制御システムが必要になります。

1.代表的な例

 図1は、アルカリ性溶液を酸で中和する例です。中和制御においては、pH=7付近の中和滴定特性におけるゲイン変化が極めて高いため、酸性液を少量ずつ添加しないと行き過ぎが生じます。
 一方、pHが中和点から大きくはずれているときは、同じ偏差量であっても多量の酸性液を添加する必要があります。このため、折れ線リニアライザ ブロックで偏差入力に非線形演算を加えて、ループゲインを一定にします。

2.スーパーDCSのハード構成

 このバッチPID制御を実現するハード構成を図2に示します。
















     




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