ります。
 これらの中で、電力設備の監視・測定要素として“電力”は欠かすことができない項目です。このとき、電力監視用メータや電力トランスデューサでは入力電力に見合ったレンジを指定する必要があり、そのための計算はよくご存知の方はスラスラと解かれますが慣れていない者にとっては少々厄介なものになります。ここでは、“電力”に関する説明と共に、電力トランスデューサの入力レンジの計算の仕方について説明します。新たにこの計算をなさる方々の参考になれば幸いです。

 1.直流電力

 電力の考えを理解していただくために、まず直流回路について説明しておきます。図2のように直流電圧Vという電源に負荷抵抗Rを接続するとIという直流電流が流れたとします。このとき負荷抵抗Rは発熱します。この発熱量(エネルギー)が抵抗Rにおいて消費される“電力”に相当します。そして、その量は次式によって計算されます。

 この式が電力の基本となります。つまり電力は電圧と電流の積なのです。

 2.交流電力

 次に交流回路の場合について考えてみます。図3のような交流電圧とこの電圧によって生ずる交流電流があったとします。この図で、ある一瞬を考えてください。この一瞬(微少時間)で考えれば、前述の直流の場合と同様に電圧Vと電流Iのかけ算がその一瞬での電力となります。つまり、交流電力は微少時間の直流電力を、ある時間集めて平均化した量ということになります。このことは三相交流回路でも同じです。

 3.変成器について

 実際の交流回路(とくに高電圧、大電流回路)では計器用変成器が使用されています。計器用変成器は電圧用と電流用とがあり、電圧用は高電圧をAC110Vの統一信号に変換し、一般にPT(Potential Transformer)<注1>と呼ばれ、電流用は大電流をAC5Aの統一信号に変換し、一般にCT(Current Transformer)と呼ばれています。
6.6kV級のPTおよびCTの外観をそれぞれ図4、図5に示します。
 計器用変成器には、その変成器の二次側に接続可能な定格負担(単位:VA)が決められており、接続される機器として保護継電器や広角度メータおよびトランスデューサなどがあります。ここで、接続される機器にはすべて消費










     






























<注1>IEC規格に従い、TV(Voltage Toransfomer)と呼ぶ場合もあります。




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