した。米国での産業用ソフトウェアのプラットフォームとしてIBMのOS/2に一歩遅れをとったかのようにみえるWindowsファミリーですが、今後はWindows NTを積極的に拡販しようという戦略であろうかと思われます。また、本年11月に催される予定のCOMDEX FallでのWindowsの最新版Ver.4.0(コードネームChicago)の発表と併せて、当面眼が離せないものと思われます。また、新しいソフトウェアメーカーも続々誕生しており、さらにはAllen-Bradley社がICOM社を吸収して新しくRocksoft社となるという統廃合もこの'94 ISAショーで発表されました。これらの産業用ソフトウェアの完成度の高まりとPLCの高機能化により、今後のシステム構成のダウンサイジング化がいっそう進んで行く印象を持ちました。

FieldBusの動向

 ISPとWorldFIPという2つの組織に分かれて討議されていたFieldBusは本年9月26日にFieldBus Foundationという1つの組織に統合されました。この組織の本部はテキサス州オースチンに置かれ、110の協賛企業で構成されています。1年間の討議の後、来年の第2四半期に一般評価が受けられるものを発表することが正式に伝えられました。また、1996年末までに製品技術を供与できるとも発表されました。このデッドラインの発表により、今まで若干遅滞ぎみであったFieldBusの開発が一挙に加速されるものと期待できます。今回はWorldFIPの展示としていろいろなアクチュエータをつないでパイプ笛の自動演奏を行っていました。

その他

 FieldBus以外にもMotorola社の提案するLon Work Netや欧州勢が提案するDevice Netなど、個別機器接続ネットワークのブースが比較的活況を呈していました。またI/O機器の観点からは、プリント基板に直に取り付けられるI/Oモジュール製品が主流になってきたようです。ここでもI/Oのダウンサイジング化が進んできていると思われます。
 本年からISAという呼び名は従来のInstrument Society of America(米国計測学会)の略称の意味からInstrumentation/System/Automationの意味での国際会議、展示会を意味すると正式発表されました。また、産業用コンピュータ学会(ICS/94)を同時開催することになりました。従来の計測工業としての産業ジャンルは今後、汎用コンピュータ、汎用ソフトウェアのさらなる進歩および機器のネットワーク化により分野ごとの垣根が取り払われて行き、新しいシステムインテグレーションの業態が生まれてくるという予感がします。また、この流れは近い将来必ず日本でも一般化して行く予感がします。

     

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