パソコン計装システム第4回
パソコン計装によるDCS ダウンサイジング化の展開

ニッテツ北海道制御システム(株)
計測制御部 設計部長


 はじめに

 現在、未曾有の景気低迷が続いています。これは一時的な不況ではなく、円高などの複合要因を伴った循環的な不況といわれており、各業界では抜本的な構造改革が行われています。とくに生産現場では、歩留り向上、コスト改善、要員の合理化など、多くの課題にそれぞれ取り組んでいます。
 一方、ここ数年の計装機器・計測器の月平均生産額は1000億から1500億円規模であり、そのうちプロセス監視・制御システム(いわゆるDCS)の生産額は10%前後です(図1参照)。
 先に述べた背景から設備投資も抑制されており、全般的に低迷しています。しかし、今後は3K職場の改善、計器室統合化、老朽設備更新などのニーズから、プロセス監視・制御システムの需要は伸びて行くことが予想されます。本文は、そういった産業界の背景を踏まえて、とくに多品種・小ロット生産を主体とする製造業で、「従来の設備を更新したいが予算的に大きすぎるため、設備投資を見送っている」というユーザーにジャストフィットするDCSダウンサイジングシステムを紹介します。

1.DCSダウンサイジング

 ニッテツ北海道制御システムは、パソコンを主体とする監視・制御システム(パソコン計装システム)の開発に従来から努めてきました。その基本的な思想はDCSのダウンサイジングです。
 ダウンサイジングとは、従来のシステムの機能を損なうことなく、パソコンやシーケンサなど、より安価な汎用機種を用いて実現するシステムであり、次のメリットをもっています。
 I.ハード費が安価である。
 II.ハード構成がシンプルで専門的なメンテナンスがいらない。
 III.トレンディな設備であり、若年層へのインセンティブとなる。
 従来、集中監視・制御を行う計装システムをDCS(ディストリビューテッド コントロール システム)と呼んでいます。これは、いろいろな場所で個別の調節計をオペレータが操作していたのを、1箇所で集中して操作・監視できるように機能を向上させたものです。
 しかし、コスト的には高く、かなり多数の制御ループを集中化させないと投資金額には見合わない(コストパフォーマンスが悪い)ことになります。図2にDCSの規模別比較を示しています。DCSには規模とコストの関係から、プ

     






 

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