世界のフィールドバス事情 第21回
ISAでのフィールドバスの標準化
(その18)



(株)エム・システム技研 開発部 主管技師

 BR>  ISA/SP 50ユーザー層委員会がフィールドバスのユーザー層の標準化について検討した結果は技術レポートのドラフト(ISA/SP 50-1990-389)にまとまっています。今回は同レポートに沿ってユーザー層からみたフィールドバス機器のモデルについて考えてみましょう。

 物理ノード

  フィールドバスへのインタフェース機構を備え、フィールドバスに接続された機器を物理ノードと呼んでいます。ここでノードとは元来、結合点と言う意味であり、数学や回路理論でも使われています。物理ノードには、少なくとも物理ノードを特長づける次のデータが与えられています。そして、これらのデータはフィールドバスに接続された他の物理ノードから読み出すことができます。
 物理ノードのタグ名、タグコメント(タグの説明文)
 メーカー名、メーカーの形式、製造番号
 メーカー ソフトのレビジョン番号
 フィールドバスのレビジョン番号 論理ノード数など

 論理ノード

 SP 50のユーザー層はDCSの制御方式を手本として設計されています。DCSでは、計装ループの制御を簡単に実現するためにPID制御機能やアナログ入力信号の指示警報機能などをソフトウェアにより演算器として実現しています。こうした演算器をソフト的に結線することにより計装ループを簡単に組める点がDCSによる制御方式の優れた点です。フィールドバス システムではこうした演算器に相当する機能をファンクション ブロックと呼んでいます。ここで、それらの演算器の演算周期について考えてみます。演算周期は制御対象の入出力の応答速度に対応して決められます。プロセス制御のアプリケーションでは通常1秒間に1回の演算ができれば十分とされています。無駄時間が大きな制御対象の場合には、サンプル値PI制御方式を採用して、意図的に長い演算周期で演算することもあります。
 論理ノードとはファンクション ブロックの演算の実行周期をまとめて規定するために提案されたアイデアです。すなわち、1つの論理ノードの中には複数のファンクション ブロックがおかれ論理ノード単位にファンクション ブロックの演算周期を指定できます。

 フィールドバス機器のモデル

 物理ノードの内部に論理ノードを設け、その中にファンクション ブロックが存在する上記フィールドバス機器のモデルは図の(a)で表わされます。これに対し、論理ノードを設けるアイデアをとらず、通常のDCSで行われているようにファンクション ブロックの演算周期をそれぞれのファンクション ブロックの内部で設定するようにすると、図の(b)に示すモデルになります。筆者は、より単純なこの構成も捨てがたいと考えています。

     




































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