計装豆知識

空気圧式コントロール弁のフェールセーフ(Fail-safe)

 コントロール弁の駆動部には、次の3種類があります。
 1.空気圧式
 2.電動式(モータ駆動式)
 3.油圧式
 プロセス計装の分野では、これらの中で空気圧式駆動部が最も多く使用されています。空気圧式駆動部の歴史は古く、空気圧式PID調節計の時代から使用されています。デジタル制御時代の今でも、駆動部としての優れた特性により主役を担っています。
空気圧式コントロール弁での特に重要な特長は、「制御ループにおけるフェールセーフ対策の容易さ」です。すなわち、操作空気圧をゼロにすると、弁が全閉または全開になる機能です。
 この機能は次のように呼ばれています。
 ●正作動=空気圧がなくなると全開になる動作
 Airless OpenまたはAir to Closeということもあります。調節計からの制御信号(DC4~20mAまたは0.2~1.0kgf/cm2)が増加すると、弁が閉じる特性です。
 ●逆作動=空気圧がなくなると全閉になる動作
 Airless CloseまたはAir to Openということもあります。調節計からの制御信号が増加すると、弁が開く特性です。
 次に、正・逆作動の選択を制御ループの実例に当てはめて考えてみます。

発熱形反応缶の冷却水による温度制御 

 この例では、冷却水用コントロール弁は正作動形を使用します。操作空気源の圧力が0になったとき、弁を全開にして冷却すれば、反応缶の暴走を防げて安全だからです。

蒸気による加熱温度制御 

 この例では、蒸気コントロール弁として逆作動形を使用します。操作空気源のトラブルにより圧力が0になったとき弁が全閉になれば過熱を避けることができて安全だからです。

     























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