今月のアプリケーション

MsysNetのアプリケーション第5回
むだ時間補償制御


 むだ時間補償制御は、むだ時間が大きく、しかも、それがあまり大幅に変化しないプロセスに使用される制御方法です。この制御方式が適用できるケースは非常にわずかですが、通常のPID制御では使いものにならない図1のような例に使用すると極めて効果的です。
 むだ時間補償制御機能は、DCSやワンループ コントローラには組み込まれていますが、コストの安い温度調節計には用意されていません。しかし、スーパーDCSを使用すれば、温度調節計クラスのコストで高度な「むだ時間補償制御」が実行できます。

 1.計装例

 図1は、下水処理場の消化汚泥を遠心濃縮機により濃縮する装置の計装例です。遠心濃縮機の出口濃度は、供給側の濃度が薄い消化汚泥の量を変えることによって制御されます。遠心濃縮機の特性をみると、供給量を変えても数分間は出口濃度が変化しません。このプロセスを単純なPID制御方式で制御すると、出口濃度が変動を繰り返して安定化しません。
 これに、むだ時間補償制御を適用すると非常に安定した制御結果が得られます。図1は何の変哲もない単ループ制御ですが、スーパーDCSのアドバンストPID制御機能により画期的な制御結果が得られる典型的な例です。

 2.スーパーDCSのハード構成

 このバッチPID制御を実現するハード構成を図2に示します。

     




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