電子技術の進歩・発展は目覚ましく、2年に1回の計測展では、展示内容がすっかり様変わりしてしまうように思えます。
この2年間を振り返ってみますと、パソコンの著しい高機能化とローコスト化に加え、高度なOSの出現でパソコンを端末としたコンピュータシステムが大発展をとげました。また、通信の自由化はPHSを初めとする個人レベルでの無線電話、ポケベルの世界が爆発的拡大をとげており、計装の世界もその嵐の中に巻き込まれて新しい発展段階に入ろうとしています。
ワンチップCPUの高機能化、高密度化は高機能PIDコントロールを小さなユニットの中でわけなく処理できるようになり、それも信じられないほどのローコストで実現できるようになったので、もはや1個のCPUでマルチループコントロールをする時代はなくなりました。
信頼性から言っても便利さから言っても、コストの問題さえ解決できれば1ループコントローラに優るものはありません。これらをアナログ変換器やデジタルI／Oと同じフィールド通信ラインに直結し、一括してパソコンで管理できれば願ってもない便利でフレキシブルな計装システムができあがります。
私にとって、長年夢みたこのような超分散形パソコン計装システムは、ここに“MsysNetシリーズ”として実現することになり、今回の計測展で一挙に実演公開できることを本当にうれしく思います。
内線、外線を問わず、電話線を利用した計装信号伝送装置を具体化したテレメータやテレカプラも、同じフィールド通信ラインに直結できる形で小さなユニットとして取り揃えることができましたので、全国をネットワークで統合したような計装を実現できることになりました。
激変する計装の世界！これが本日スタートしました。『MS TODAY』の読者の皆様にはどうしても、この計測展でスーパーDCSを自らのお手に取って、そのスマートなでき具合を試していただきたいと存じます。
皆様のご来場を会場でお待ちしています。
1995年10月
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