計装豆知識

ノイズに強くするには

 ノイズで困られる方は多いのではないかと思います。機器を設計する人にもノイズに関するクレームがいろいろなところから持ち込まれていることでしょう。
 ノイズには、機器に誤動作を起こすものや、機器を破壊にいたらしめるものがあります。また、現象として常に誤動作を起こすものや、ある時間帯のみ誤動作を起こすものがあります。これらの現象を見てそれぞれのクレームに対処する必要があります。
 ノイズは、大きく分けてノイズ(雑音)を発生するノイズ源とそれを媒介する経路とノイズを受ける機器に分けることができます(図1参照)。
 まず、機器に関してノイズに対する感度を下げるということがノイズに強い機器ということになります。機器のノイズ耐力を上げるためには、いろいろな工夫がされます。入力段フィルタの設置もその1つです。信号ラインへのノイズの加わり方によって、信号端子間に直列に現れるノーマルモードノイズと信号端子と大地間に現れるコモンモードノイズの2種類があります。エム・システム技研の製品においても商用周波数のノーマルモードノイズに対してはローパスフィルタを付けてノイズを遮断しています。60Hzで1/100程度の減衰をさせるフィルタです。これにより不要な雑音を除去します。コモンモードノイズは、信号と大地間に加わるノイズですから、それ自体はノイズとはならないのですが、信号ラインを介し大地に帰路が形成されると、回路インピーダンスの不平衡によりノーマルモードノイズとなります。これを断ち切るには、エム・システム技研では絶縁することにより帰路を断ち切り、ノーマルモードノイズ化するのを防いでいます。
 次にノイズの伝わり方は、(1)ノイズ源と浮遊容量で結合するもの、(2)ノイズ源と相互インダクタンスで結合するもの、(3)電磁波による結合が考えられます。電界で結合するものを断ち切るには、ノイズ源と機器との間に金属板を入れて接地する静電シールドがあります。これを利用したものにシールド線があります。磁界で結合するものを断ち切るには、高透磁率材もしくは銅やアルミなどの高電導材で遮蔽する方法があります。信号ラインから電磁結合により進入してくるノイズは、信号線をより合わせるツイストペアケーブルの使用などが有効です。電源ラインにはラインフィルタなども有効です。
 電磁結合による最も強烈なものに雷によるノイズがあります。雷から機器を保護する方法としては、避雷器(エム・システム技研の製品名はエム・レスタ)などが考えられます。「エム・レスタ」は静電シールドのように機器を包んで守りませんが、大切な機器を誘導された電圧による破壊から守ります。
 前述の静電シールド、磁気シールドでノイズ源を包むのも1つの方法です。また、コイルや接点などのサージ電圧の発生する所には、サージアブソーバやコンデンサと抵抗などを入れる配慮が必要です、(本誌1993年5月号を参照)。以上のような対策で、ノイズの経路、ノイズ源を封じ込めて下さい。

     











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