現場に一般電話回線があれば中央にデータが送れる DAST-30R形スーパーテレカプラ (株)エム・システム技研 開発部 部長 はじめに 電子技術の著しい進歩に伴い、電話機能を含む各種通信機能を実現するためのASIC < 注1>ライブラリが大手半導体メーカーから一斉に発売される時代を迎えています。エム・システム技研でも、その主要製品であるM・UNITタイプのプラグインケースの中にテレメータやテレカプラ< 注2>を収納して、手のひらの上に乗るサイズの製品を発売するまでになりました。 近年とみに高機能化、低価格化を果たしつつあるパソコンで集中管理する商品はすでに完成してかなりの納入実績を得ていますが、「ただつなげばすぐ稼働する」ようにパソコンもソフトも必要としない“テレカプラ”が実現していなければ急速な普及は難しいと考え、まとめあげたのがここに紹介するDAST-30Rシリーズです。 “テレカプラ”は上下水道設備を初め、ガス、水道、電気、ガソリンスタンドなど広域に分布する諸設備の情報を一般の電話回線を用いて中央に集め、集中監視するための機器です。“テレカプラ”と似ているテレメータシステムがありますが、テレメータは専用回線を使用して現場側の信号を単に中央の計器室に送るだけです。これに対して“テレカプラ”は、費用が高い専用回線を用いず、一般電話回線を使用しますから、通話時間分だけの費用で運用できます。家庭で使用している一般電話回線があれば、地球上のどこからでも簡単に接続できます。“テレカプラ”はテレメータと異なり、直接、専用回線で接続されていません。電話回線を切換え装置として使用できますから、テレメータの用途よりも多くの拡がりが見込めます。 エム・システム技研の“テレカプラ(形式:DKT)”や“テレカプラミニ(形式:22T)”は、高機能・低価格のパソコンを中央に置いて集中管理するデータ伝送システムとしてすでに発売して久しく、多数の納入実績をあげています。これらのシステムでは、中央はパソコンのみのシステムでした。しかし、ここに紹介するDAST-30Rシリーズは、中央に置いた入出力ユニットからアナログや接点信号を出力でき、パソコンとの間でもデータ伝送できる機能をもっています。このようにDAST-30Rシリーズは新しい機能を加え、小規模から大規模まで広範にわたるシステムをカバーできる製品として開発された新形“テレカプラ”です。 スーパーテレカプラの名称は、エム・システム技研のMsysNetシリーズと“テレカプラ”をシームレスに接続できることから命名されています。また、DAST-30Rの名称も各コンポーネント機器を接続し、テレカプラシステムとして使用された場合の総称として命名されています。 1.システム構成 DAST-30Rシリーズを使用す |
<注1>ASIC:専用LSI <注2>テレカプラ:ダイヤルで呼び出す電話形テレメータ(エム・システム技研の登録商標です) |