方向とコイル断面が直角に交差する場合(θ=90°)、コイルに発生する起電力は最大になります。また、磁束とコイル断面の交差角度が30°の場合は、直角の場合の1/2の起電力になります。
 ところで、磁束と交差する角度が、たとえば+30°の場合と-30°の場合、起電力の振幅は同じになります。しかしこの2つの場合発生する起電力の位相が異なります。図2で説明すると、実線で示した位置のコイルの出力波形が交流磁界の変化と同位相になるよう結線されているとすると、破線で示した位置のコイルの出力波形は逆位相となります(図3)。出力は振幅と位相の組合せにより、原理的には-90~+90°まで測定可能となります。
 インダクポットシリーズは、このような原理を利用して角度を検出しています。ただし、今回開発したインダクポット(形式:NRA)の場合は、起電力が交差角度の正弦(sinθ)ではなく、交差角度自身(θ)に比例するよう、磁界の形状に工夫を凝らしていて、-45~+45°の範囲で角度が直読できる出力となっています。

 2.インダクポットの機能と特長

 インダクポット(形式:NRA)の主な仕様と性能を表1に示します。
 インダクポットの特長は非接触であること、すなわち電気的摺動部をなくしたことです。これにより従来のポテンショメータと比較して長寿命化が期待できます。寿命が長くなることにより、保守が困難な機器への組込みや、ハンチングなどを起こす可能性の高い制御系への応用が期待できます。
 インダクポット(形式:NRA)を含め、このシリーズには当然ながら交流磁界が必要ですが、それを発生するためのコイルと、直流電源を受けてコイルを励振するための発振回路も備えていて、お客様が交流発振器を用意する必要はありません。またNRAの場合、前述のように発生する磁界が平行磁界ではなく、出力が角度に比例

     







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