計装豆知識

配管用ねじと空気用継手

 配管用ねじの呼称が変わってからかなりの年月がたちましたが、いまだに“PT”や“PF”といった古い名称で呼ばれることが多いのも事実です。ここで配管用ねじの呼び方を整理してみましょう。
 1982年にJIS B0202(管用平行ねじ;従来のPFねじ)およびJIS B0203(管用テーパねじ;従来のPTねじ)が改正され、呼び方が表1のように変更されました。新しい呼び方は、ISOの呼び方に従っています。しかし、ねじの寸法そのものは変更されていません。つまり、従来のPTねじは呼び方はともかくとして、ねじとしては国際的に通用するものだったのです。
 国際的にみた場合、PTねじは日本のローカル規格のように思われがちですがそうではなく、実はNPTねじの方こそ米国のローカル規格なのです。現に英国やオーストラリアでも、100%ではないかもしれませんが、“RC ”またはそれに相当するねじが使用されています。しかし、その他多くの諸外国では“NPT”ねじが使用される場合が多いようです。
 ねじのサイズによってはJISに規定されていても、ISOには規定されていないものがあり、この場合は従来の名称で呼ばれます。たとえば、31/2インチサイズのテーパねじはJISには規定されていますが、ISOには規定されていないので、“PT3 1/2”と表記します。
 一方、配管ねじに接続される管継手、とくに10kgf/cm2以下の空気圧用配管継手については、業種や使用環境による差がありますが、銅管に代わってナイロンやウレタン製の樹脂チューブ用継手が多用されるようになってきました。さらに、同じ樹脂チューブでも以前はスリーブをはめてそれをナットで締付けることによって、継手に接続する方式(図1)が多かったのですが、最近はいわゆるワンタッチ式の継手(図2)が多くなってきました。このワンタッチ式継手には、配管作業が大変省力化できるというメリットがあるのですが、実はそれ以上に大きな特徴があります。
 すなわち、スリーブナット方式の継手の場合は、継手の部分でインサートによってチューブの内径以下に流体の通路が狭められています(図1)。それに対し、ワンタッチ式継手にはそのような障害物がないため、同じサイズのチューブを使った場合、スリーブナット式に比べて圧力損失が小さいという大きなメリットがあります(図2)。

     




























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