その場でその問題を解決する」ことが多いということです。エム・システム技研が主催したツアーのお客様の中にも、いくつかの会社の方々が問題を解決でき、契約に結びついたところさえありました。この点でINTERKAMAは日本の国際計測工業展や、米国のISAショーと大きく性格が異なります。そのため、展示ブースのデザインにも商談スペースが大きくとられており、コーヒーやビールを飲みながら歓談するといったことが非常に盛んです。
 次に注目した点は、来年1月から施行されるCEマーキングへの各社の対応です。CEマーキングというのは、欧州連合(EU)域内である種の製品を販売する場合、その製品の安全性を保証する制度で、玩具や工作機械などさまざまな分野にわたって規定されています。ヨーロッパでは計測・制御機器に関しては、EMC(電磁適合性)指令に従って、1996年1月1日からこのCEマーキングに適合することが義務づけられています。つまり、の分野の製品がCEマーキングに適合していない場合、来年以降、ヨーロッパでは販売できないことになります。各展示ブースを視察しましたが、どこもCEという言葉に敏感になっているようでした。すでにCEマーキングをつけているところ、大きく宣伝しているところ、今年中の対応をうたっているところ、とその対応は様々でした。
 最後に、数年前から顕著な市場再編の動き、すなわちPLCメーカーとDCSメーカーの間で繰り広げられている市場獲得競争の行方が注目されました。なにより今回のINTERKAMAは、まず、エルサグ・ベーレー(Elsag Bailey)社が、欧州大手鉄鋼メーカーであるマンネスマン(Mannesmann)グループに属していたドイツのハルトマン ブラウン社(Hartmann & Braun、'94年の売上高13億マルク)を、今年中に約10億マルク(約750億円)で買収することに合意がなされたというニュースで開幕したことです。エルサグ・ベーレーといえば、昨年9月にもフィッシャー&ポーター(Fischer & Porter)社を取得しており、今回の買収によって、横河電機、ハネウエル(Honeywell)、フィッシャーローズマウント(Fisher-Rosemount)という世界の3大巨人グループに続く第4の勢力になるのは確実ではないかといわれています。
 さて、今回の視察・研修ツアーでは、平素はなかなかできない欧州の企業視察を2社行いました。初日はまず、ミュルハイムにあるジーメンス(Siemens)の社タービン発電機工場を訪問し、世界最大のタービンの製造現場を見ることができました。これは某国の原子力発電所向けということでした。
 さらに2日目には、ABB社を視察しました。ここでは、ABBグループとして各種産業機器、環境保全技術、発電・送電・配電技術など、総合的エンジニアリングを行っており、センサ、DCSなどの製品について専門のドクターから説明を受けました。
 エム・システム技研のツアーは、これらの視察の後、スイスとイタリアをまわって帰国、無事終了しました。参加者の皆さまから「大変よかった、楽しかった」とのお言葉もいただき、スタッフ全員ほっと胸をなでおろしています。皆さまには絶大なご協力をいただき深く感謝しております。本当にありがとうございました。
 恒例のISAショーは来年も米国で開催されます。皆さまのお役にたつような企画を行いたいと考えておりますので、ご期待ください。


INTERKAMA'95視察ツアーに参加して

 味の素株式会社
三ッ村 宇充

 「INTERKAMA、3年に一度ドイツのデュッセルドルフで開催され、計測と自動化に関する展示会では群を抜く規模と来場者数を誇る世界最大の催し。

     








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