計装豆知識

モーター用電力トランスデューサのレンジについて

 工場などで一般に使用される三相モーターは、4極のかご形誘導電動機です。モーターの回転速度は、モーターの極数と電源の周波数によって決まり、極数が4極の場合、電源周波数が60Hzでは1800rpm、50Hzでは1500rpmになります。また、モーターごとに定格出力での効率や力率などは異なります。

 モーターの力率

 無負荷のときでもモーターには電流が流れています。このとき電源側からみた負荷(モーター)はコイル(純インダクタンス)に近い状態になるため有効電力はほぼゼロとなります。つまり、仕事をしない電流が流れていることになります。モーターにかかる負荷が大きくなると仕事をする電流が流れ始めますが、この電流だけを計測することは困難です。実際に計測できるのは、仕事をする電流と仕事をしない電流をベクトル加算したものになります(図1参照)。

 モーターの電流

 モーターには起動時に起動(突入)電流が流れ、設置した変流器(CT)の定格を越えてしまう場合もあります(なお、インバータを用いると起動時の突入電流はほとんど流れません)。また、実際にはモーターにかかる負荷から計算した電力値の約2倍のモーターを採用して、過大電流にもシステムが対応可能なようにしておきます。

 モーターの電力スケール

 モーターの電力をトランスデューサで変換してモニタする場合、モーターの定格出力をそのまま電力トランスデューサの入力レンジ(メータの目盛りに相当)として設定すると、オーバースケールが生じます。このため、モーターの過大電流を考慮して、オーバースケールしないレンジを設定する必要があります。表1にはモーターの種類およびそれぞれに適したCT、さらに電力トランスデューサの入力レンジを表示しています。参考としてご使用ください。また、システム構成図を図2に示します。



     



























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