力仕様のほとんどの項目について調整や変更を容易に行えます(図2)。たとえば、システムに変更が発生し、変換器のパルス入力仕様を変更する必要が生じたとき、シャープペンシルの先などで変換器前面のプリント基板上のスイッチを切り換えるだけで、仕様を変更できます。
 センサ電源の電源電圧も、変換器前面からトリマを回すだけで5~12Vの範囲内で、無段階に調整できます。
 また、パラメータの設定変更や測定値の監視などのために用いるプログラミングユニット(形式:PU-2□)の操作においても、表示メッセージをできるだけ詳しくし、変換器から返されるメッセージがわかりやすいよう配慮しています。
 このように、シリーズ全般を通して、わかりやすさ、扱いやすさを念頭に置いて開発した製品群です。

 3)新製品は6機種

 今回開発した新しい変換器は、パルスをパルスに換える変換器が4機種、アナログをパルスに換える変換器が2機種です。以下に、これらの変換器の概要をご紹介します。

 2.パルスレート変換器(形式:JPRD)

 1)分周と逓倍が可能

 この変換器は、今回開発した製品の中で中心的な存在です。“パルスレート変換器(形式:JPRD)”は、その製品名のとおり、入力パルスに対して出力パルス数が特定の倍数になるようにするものです。この変換器では入出力のパルス数の比に着目していますので、周波数についてはあまり重要な要素とは考えていません。
 しかしながら、パルスの入出力レートについては、設定された入力周波数(スパン)と出力周波数(スパン)を基に、それぞれのパルスレートを決定し、出力パルスの周波数も制御しつつ出力します。これら2つのパラメータを設定することにより、分周から逓倍まで自由に選ぶことができます。

 2)内部動作

 この変換器はサンプリング時間(通常、200ms)で定められた時間の間だけ入力パルスを計数し、同時にその間の周波数も測定します。これを1回分の測定とします。1回分の測定が終わると、すぐ次の測定を始めます。測定の後、測定データは演算処理され、パルスレートを基にパルス数を算出します。同様に、周波数もレートから求めます。算出した出力パルス数と出力周波数とを出力カウンタジェネレータにそれぞれセットし、パルス出力をスタートさせます。このような一連の処理を、サンプリング時間の周期で繰り返し行います。
 このように、出力周波数も考慮した出力パルスデューティサイクルは、基本的には50%になります。ひとかたまりのパルス列として、その出力期間内に均等に離散した出力パルスとして出力されます。なお、サンプリング時間ごとに出力カウンタジェネレータに出力値をセットするため、息継ぎ時間として5ms前後、出力パルスの間隔が空くことがあります。
 このほかにも、この変換器の固有の振舞によって、不均衡パルスが発生する場合があります。ドロップアウト(入力パルスなし)を検出する都合上、入力パルス列の最後がサンプリングの周期に合致しなかった場合(ほとんどの場合このようになる)は、ドロップアウト判定時間経過後でないと最後の測定終了の判断ができず、結果としてパルス出力ができなくなります。ドロップアウトは予想できないので、パルス出力がとぎれることになります。ドロップアウト判定時間経過後、ようやく測定結果

     


<前ページへ次ページへ>

*. 本ウェブサイト上に掲載されている情報は、掲載した時点での情報です。記載内容はお断りなしに変更することがありますのでご了承ください。

*. 本ウェブサイト上の表示価格には消費税は含まれておりません。ご注文の際には消費税を別途頂戴いたします。

MG 株式会社エムジー

Copyright © 1992 MG Co., Ltd. All rights reserved.