が演算処理され、最終パルス列として出力されます。

 3)2つの大きな特長

 この変換器はパルスレート変換器ですが、レートが1に設定された場合、100パルス入力されると100パルス出力されます。この一見なんの役にも立ちそうもないような設定ですが、出力周波数制限機能が設けられているため、このような設定も有効です。すなわち、出力周波数制限機能が働くと、あらかじめ設定されていた周波数で出力パルス周波数が制限を受けます。つまり、パルス出力周波数がある周波数以上に上がらず、設定された周波数でクリップされます。入力がこの周波数以上であれば、出力パルスは時間内に出力し切れず、次のパルス出力のタイミングがやってきます。このとき、出力できないパルスは変換器内部に積算されて、蓄積されて行きます。やがて入力パルスがなくなったり、入力周波数が設定周波数以下になると、蓄積されていたパルスが順次出力されます。このように、一時的に変換器内部に出力パルスを貯め込む機能をバッファ機能と呼んでいます。
 たとえば、カウンタなど入力応答速度が遅い機器に対して、持続時間は短いが周波数の高いパルスを間欠的に発生(バースト)する機器を接続して、そのパルス数を計測しなければならないようなときを考えてみます。通常のパルスアイソレータでは、ワンショット機能を用いて、短い幅のパルスをカウンタが認識できるパルス幅までのばすことができますが、入力パルスの間隔がそれより短くなると、パルスが重なり、消滅してしまいます。このような場合に、“パルスレート変換器(形式:JPRD)”の出力周波数制限機能とバッファ機能を用いれば、カウンタが認識できるようなパルスにしたうえ、パルスが消滅することもなくなります。
 このバッファの容量については1677万カウント分を用意しています。仮にパルスレートが1で、入力周波数が100kHzの場合でも、167秒間はオーバーフローすることがありません。現在のところ、これ以上のパルス数の場合はオーバーフローに対処する手段はありませんから、この機能はオーバーフローを起こさない範囲での使用を前提にしています。
 オーバーフローに対して、将来的にどのようにするか、たとえばオーバーフローが近いことを警報出力で知らせるようにするのが良いのか、またはさらにどのくらいまでバッファ容量を増やせば良いのかなどについて検討中です。読者の方々で何か良いアイデアまたは具体的な方法をお持ちの方は、ぜひご提案ください。できる限り、製品に反映して行きたいと考えています。
 出力周波数制限機能の制限値は、製品出荷時の標準設定(デフォルト値)で2000Hzとしていますが、この値を変更することでパルス出力周波数を150kHzまで上げることができます。
 入出力パルスレートは、前述のとおり入力スパン周波数と出力スパン周波数を設定することで決まります。このため、事実上制約がなく、どのような倍率レートでも設定することができます。したがって、逓倍のときには大きな逓倍率によってバッファがオーバーフローすることも考えられますから、十分ご検討の上レートを設定する必要があります。

     






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