4)入出力パルスの論理

 このほか、入力パルスと出力パルスの論理を選択することができます。ここで言う論理とは、たとえば入力パルスと出力パルスの両方がどちらも電圧パルスの場合、入力パルスが“H”レベルから“L”レベルになり、再び“H”レベルに戻ったときにパルス入力を1パルスであると数えたとします。このとき、出力パルスが“H”レベル→“L”レベル→“H”レベルとなって1パルスとして出力されるのか、またその逆(“L”レベル→“H”レベル→“L”レベル)となって1パルスとして出力されるのかを指します。前者を非反転、後者を反転と言います。この論理を接続する機器の仕様に合わせることにより、カウントのタイミングのずれを補正することができます。
 パルス信号を入力してパルス信号で出力する変換器では、反転と非反転の区別は、入出力の形式やその仕様に対する考え方により様々で、非常にわかり難いものです。そこで、仕様書や仕様伺書には形式別に入力と出力パルスの信号波形を記載した表を掲載し(表1)、この問題に対処しています。この表を見れば、入出力パルス波形を視覚的に確認できます。

 3.周波数レート変換器(形式:JFRD)

 1)周波数レート変換とは

 “パルスレート変換器”が入出力のパルス数に着目しているのに対し、この変換器はその周波数に着目しています。
 理論的には入力周波数をレート倍すれば出力の周波数が得られ、一定時間内に測定した出力パルス数は、入力パルスをレート倍したものと一致するはずです。しかし、厳密にはそのとおりには行きません。これを、このままパルスレート変換器に適用すると、トータルのパルス数においてかなり大きな誤差が生じます。
 それでは、“周波数レート変換器(形式:JFRD)”がどんなものであるか、その動作と特長をご紹介します。
 “周波数レート変換器(形式:JFRD)”は“パルスレート変換器(形式:JPRD)”と同様に周波数測定の後、パルスレートの演算を行い、出力周波数を求めて出力パルスジェネレータにセットしますが、この変換器はパルス数の管理は行わず、周波数について求めた値を何の加工もせずにそのまま出力します。この点が“パルスレート変換器(形式:JPRD)”と異なっています。
 入力パルス周波数を測定し、サンプリング時間ごとにその間の入力周波数の平均をとり、レート倍して周波数を出力しますので、入力周波数が変化し続けるならば、出力周波数はサンプリング時間ごとに更新され、その波形は周波数更新の際の境界を除いて、デューティサイクル50%を保ち続けます。
 この変換器では周波数の精度が重要になりますので、出力周波数の仕様は2kHzを最大として想定しています。これ以上の周波数領域の出力も可能ですが、精度的に保証できなくなります。

 2)変換器のアプリケーション

 この変換器のアプリケーションとしては、入力信号をパルス数としてではなく、周波数としてとらえたときの分周・逓倍器として使用することができます。

*  *  *

 次回はパルス加算器(形式:JPSM)、ロータリエンコーダ用パルスアイソレータ(形式:RPPD)、アナログ2相パルス変換器(形式:JARP)、アナログパルス変換器(形式:JAPD)をご紹介します。


     














<前ページへ次ページへ>

*. 本ウェブサイト上に掲載されている情報は、掲載した時点での情報です。記載内容はお断りなしに変更することがありますのでご了承ください。

*. 本ウェブサイト上の表示価格には消費税は含まれておりません。ご注文の際には消費税を別途頂戴いたします。

MG 株式会社エムジー

Copyright © 1992 MG Co., Ltd. All rights reserved.