2.各種試験

 信号変換器に対するEMCに関するEC指令には、以下に挙げるように大きく分けてエミッション(放射)、イミュニティ(耐性)の2項目があります。

 ●エミッション(放射)

 (1)線路電源端子妨害
 (2)電磁放射妨害

 ●イミュニティ(耐性)

 (1)無線周波電磁界
 (2)無線周波コモンモードノイズ
 (3)高速過渡現象
 (4)静電気
 (5)雷サージ
 各試験の内容を紹介すれば以下のとおりです。

 ●エミッション(放射)

 (1)線路電源端子妨害の判定に際しては、電源ラインを通して外部に出てくる、変換器に起因するノイズが規格内にあるかどうかを測定します。なお、直流電源の場合には、この規格は適用されません。
 (2)電磁放射妨害の判定に際しては、変換器が放出する電磁放射ノイズを測定します。そのとき周波数帯域30-1000MHzにおける電界強度を対象とします。

 ●イミュニティ(耐性)

 (1)無線周波電磁界については、周波数帯域80-1000MHzの範囲で、10V/mの均一電界を、80%1kHzのAM変調をかけた状態で変換器に加え、出力状態に変化がないことを確認します。さらに、900MHzで10V/mのパルス変調した電磁界を加えて、出力状態に変化がないことを同様に確認します。
 (2)無線周波コモンモードノイズについては、周波数帯域0.15-80MHzの範囲で10Vrms、80%1kHzのAM変調をかけた状態で変換器の入力-大地間、出力-大地間、電源-大地間にコモンモードノイズとして加え、出力状態に変化がないことを確認します。
 (3)高速過渡現象については、規定された波形をもつ5kHzのパルス電圧を15msの間加え、285ms休止することを繰り返す試験を行います。電源ラインには、±2kV(peak)のコモンモードノイズを、また入力ラインには、±1kV(peak)のコモンモードノイズを加えます。
 (4)静電気試験は、変換器に4kVに帯電した放電ガンを間接放電させ、その前後の出力状態の変化を確認します。
 (5)雷サージについては、規定された波形をもつサージ電圧を、入出力ラインに対してはコモンモードで2kV、ノーマルモードで1kV印加し、また、AC電源ラインに対しては、コモンモードで4kV、ノーマルモードで2kVを印加する試験を行います。

 おわりに

 エム・システム技研では、以上のようなEMCに関するEC指令で規定されているすべての試験項目を実施できる設備(図1および図2参照)を備えています。ただし、イミュニティの無線周波電磁界試験を行う設備は、所有設備が規定された寸法より小形であるため、エム・システム技研での試験は模擬試験になります。しかし、委託試験機関で行った試験結果とエム・システム技研の設備での試験結果とを比較し、データの整合性を確認しています。
 今回エム・システム技研が開発したCEマーキング適合機種(表1参照)の中には、皆様のお役に立つ製品が多数含まれていることと思います。なお、今後もCEマーキング適合機種をさらに充実させて行く予定であり、皆様の積極的なご利用をお待ちしています。

     



























































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