また、グレイ2進は交番2進とも呼ばれる信号形態で純2進とは少し違っていて、次の数に進む場合に全桁の中で1ビットだけを変化させるという特徴を持っています。例として表中の10進の“5”と“6”に注目してみると純2進では 20と 21 の2ビットが同時に変化します。これに対し、グレイ2進では21の1ビットだけが変化しています。2ビット以上の信号をまったく同時に変化させることはかなり困難なことであり、そのわずかな時間ずれによってデータの読み取りミスを起こす恐れがあります。1ビットだけが変化する場合には時間ずれの問題が回避できますから、データの読み取りミスはほとんど発生しません。そのため、グレイ2進の信号は、アブソリュート形ロータリエンコーダの出力などのようにデジタル信号で高い信頼性が要求される場合に多用されているデジタルコードです。 

 (4)データ制御

 従来製品では、デジタル変換されたデータは変換周期ごとに自動的に更新され、変換終了信号(EOC)の立ち上がりまたは立ち下がりを検出してデータを取り込む必要がありました。今回、外部からデータの収集タイミングを制御できるように、HOLD信号を追加しました。HOLDおよび変換終了信号は負論理固定にしています。
 図2に、新機能AD変換器 AD2のタイミングチャートを示します。

 (5)その他

 また、AD2ではスケール変換機能を追加していますから、ご指定のビット数で決まる物理量に変換して出力することが可能です。BCD出力など極性付きコードの場合には、当然ながら負極性からのスケール変換出力も可能です。
 また、変換器の電源仕様については、AC100V系(AC 90~132 V)、200V系(AC 180~264V)とフリー電源化を実施しています。
 耐電圧については、高機能化を実現しつつ、しかも入力-出力-電源間AC 1500Vを確保しています。図3にブロック図を示します。

 おわりに

 以上、新しい機能を追加したAD変換器AD2について概要を説明しました。さらに詳しい情報をご希望の場合は、製品仕様書を用意しておりますので、エム・システム技研営業部までご連絡ください。
 なお、デジタル設定形のAD変換器の構想もあり、開発を進めております。その特長は、下記の各項目をプログラミングユニットを用いて外部から設定できる機能を、今回ご紹介した新機能AD変換器にさらに追加している点です。
 ●分解能(ビット数)の設定
 ●サンプリング周期の設定
  (50 ms以上を予定)
 ●出力コード
  (2進からBCDへなど)の設定
 ●模擬出力
 ●スケール値の設定

     





























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