スーパーDCS(注)のアプリケーション例として、今回はスミス調節計を応用したむだ時間補償制御をご紹介します。
プロセス制御におけるむだ時間要素は、たとえば、物体の移送遅れ、センサによる検出遅れ、また操作端のヒステリシス特性による応答遅れなど、様々な形で存在します。一般に、PID制御のようなフィードバック制御系においては、閉ループの中に長いむだ時間要素が存在すると、制御性が悪化したり、制御が難しくなります(むだ時間の影響の目安として、プロセス特性をむだ時間Lと時定数Tで近似した場合、L/Tの値が0.5を超えると制御が難しくなるといわれています)。
このようなむだ時間の長いプロセスの制御性を改善する方法の1つとして、O. J. Smithの提案したむだ時間補償制御法(通称スミス調節計)があります。