新構想テレメータシステムの提案 MsysNetが可能にする分散性や拡張性にすぐれたスーパーテレメータシステム (株)エム・システム技研 開発部 主管技師 はじめに エム・システム技研は、1量の伝送から多量の伝送までカバーする多くのテレメータシステム用の製品をラインアップしています。たとえば、アナログ信号1量や接点信号1点だけを伝送するのに最適なDAST-10、数点のアナログ信号・デジタル信号を伝送するのに適したDAST-20、中規模テレメータシステム用のDAST-50、大規模テレメータシステム用のDAST-100など、DASTシリーズがその代表製品です。 しかし、「DAST-20にアナログを1量追加できないか」、「パルスを1量追加できないか」といった入出力点数の問題(上位機種では点数が余り過ぎて不経済)、伝送速度や回線の問題(納入後にNTT回線の種類を変更したい)、増設の問題(納入後に入出力を追加したい)など、ユーザーの方々からのご希望をいただいています。また最近では、パソコンでモニターしたいといった要求も少なくありません。 これらのご要求を満たすため、新しく機種を増やして隙間を埋めるよう、今日まで努めてきましたが、十分な状態には達していませんでした。 たとえば、小形を特長とする機種では、パソコンと接続するためのコネクタを付けることが困難であったり、外形寸法が大きい機種では入出力の組合せが数多く可能となり、機種が増え過ぎてしまうという問題に突き当たり、対応しきれないのが現状です。 据え付ける現場を考えると、多数の入出力のあるシステムでは、1箇所に多数の入出力の配線が集中し、ケーブルがダクトに溢れています。すべての信号ケーブルを集中または分散させることが、配線スペースや経費に大きな問題をもたらすのは誰もが感じています。増設や移設の必要が生じ、中継端子盤を設けた経験のある方も多いと思います。 エム・システム技研は、上記のような様々な問題を解決するための1つの方法としてMsysNet(エムシスネット)システムにおけるスーパテレメータシステムを提案しています(図3参照)。 1.MsysNetシステム MsysNetシステムは、エム・システム技研独自のフィールドバス(M-BusとNestBus)による強力な機器間伝送機能をもった製品群です。ユニット間をシリアル通信のバスで接続することにより、フレキシブルな機器の配置と配線の省力化、機器の小形化を可能にしています。このバスに、“テレメータインタフェース(形式:SMDS)”や“テレカプラインタフェース(形式:SMDR)”とモデムを接続することにより、専用回線や一般公衆回線への接続が可能となります。 またこのバスには、“センサ直入力ユニット(形式:SM□□)”や“ワンループコントローラ(形式:ABA)”、“積算カウンタ(形式:ABC)”、“デジタル表示器 |
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