ISA/95ショーに見る計装業界の動向 風早 正宏 かぜはや まさひろ MKKインターナショナル社長 学術博士(Ph.D) 展示内容より 前半では、展示会で見た「ソフトウェア会社の進出」と「現場機器活動の再活性化」、学会で聞いた「フィールドバスの進歩」の3テーマで、ISA/94からISA/95にかけての動向を紹介します。 1)ソフトウェア会社の進出 パソコン(PC)計測制御用ソフトウェア会社が大型や超大型のブースを占めて、目覚ましい進出をしていました。ほとんどの会社が日本に売り込みをしているので、社名は知っていると思います。Intellutionは大手計測制御メーカーのHoneywellに次ぐ二番目に大きいブースを占めていました。Intellutionに対抗しているWonderware Corp.はじめ、Pavillion Technology、ICONICS、Intec Control Corp.、Genesym Corp.も大きなブースでした。好奇心から、PC用ソフトウェア会社のブースの占有面積を合計してみると、HoneywellとFoxboroの大手メーカーブースの合計に相当していました。これだけでもPC用ソフトウェア会社が計測制御業界に大きく出てきたと認められます。 製品の主な機能はグラフィック表示を中心とするMMI、SCADA機能、データ収集、トレンド表示などです。PCあるいはワークステーション(WS)用になっています。ソフトウェア会社は、PCやWSのハードウェアと分離して販売しているだけでなく、PID(比例微積分)やシーケンス制御動作を他社製の周辺機器、たとえばエム・システム技研の18MAEモジュールなどに任せています。したがって、日本、アメリカ、ヨーロッパでの従来型DCSメーカーの中にも、採用している会社があ
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![]() 風早 正宏 《著者略歴》岡山大学理学部卒。同大学より学位取得。米国ワートン・スクール大学院より経営学修士(MBA)を取得。1954年より1967年まで、旧北辰電機製作所勤務。退職時は技術総括担当(部長)。1967年より1994年まで、同社元技術提携先米国フィッシャ・アンド・ポータ社に勤務。退職時は技術・営業・経営計画担当副社長。この間に、12年間、母校ワートン・スクール大学院で学外講師を勤める。授業活動としてフォード・モータ社などの経営分析をする。最近は、年1回特別講義を担当。1994年、米国内でMKKインターナショナルを設立、経営・技術コンサルタントと執筆業を開始。 |