部と周辺部では方向が反対(引張と圧縮)なので、歪みゲージR1~R4をブリッジ回路に組むことにより、圧力に比例した出力を得ることができます。ダイアフラムの下部は真空にしてから封止していますので、この構造で絶対圧力の測定ができます。また、この部分を大気開放にすれば、ゲージ圧(大気圧基準の圧力)の測定ができます。なお、この構造ではシリコンセンサが測定流体に直接接触することになります。そのため、工業計測用の製品の多くは、シリコンセンサの上に金属のシールダイアフラムをかぶせて保護しています。この場合、シールダイアフラムとセンサの間に、シリコンオイルを入れて圧力を伝えます。
上記の構造は、すべてシリコンで作られていますが、金属のダイアフラムの上にシリコンを蒸着し、フォトエッチングにより歪みゲージを形成する方法もあります。この場合は、金属ダイアフラム上にSi O2の絶縁膜を形成し、その上にシリコンを蒸着します。このように絶縁物の上にシリコンを載せるので、SOI方式(Silicon On Insulator)と言います。構造例を図2に示します。このタイプの圧力センサは、(I)シールダイアフラムを省略することができる、(II)150℃以上の高温でも動作可能、という特徴があります。